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2010年11月県議会神山反対討論

10・12・14
県議会議員 神山悦子

 日本共産党の神山悦子です。
 日本共産党県議団を代表し、議案に対する討論を行います。
 11月定例会に提案されました議案のうち、議案第1号、3〜6号、8号、12号、16号、29号、31、32号、34〜37号、40〜44号、以上20件の議案に反対の立場から意見を述べさせていただきます。

 議案第1号「2010年度福島県一般会計補正予算(第2号)」についてですが、すでに今議会の冒頭に採決に付された職員の給与改定を含む人件費の減額補正が入っており、討論で述べたように、県職員の給与引き下げを行うことは、県の関連団体、県内市町村職員、民間企業等の賃金抑制を招くだけでなく、地域経済全体をさらに冷え込ませる負の循環をつくるだけです。議案3号から6号もこれらを含む特別会計・企業会計補正予算なので同様の理由から認められません。

 また、今回の補正は、国からの追加補正68億6,200万円と第一次提案の51億7,300万円の補正予算と合わせると総額120億3,500万円にも及ぶ補正規模としては大変大きなものとなりました。
 もちろん、この中には、県内の厳しい経済・雇用状況をふまえ、緊急雇用創出基金への積み増し等へ21億2千万円、防災や県民への環境整備をする補助や県単の公共事業、維持管理補修費など当然推進すべき公共事業はあるものの、この中には私たちが以前から問題を指摘している山のみち地域づくり交付金事業が含まれています。これは、旧緑資源機構が建設していた山形県と本県を結ぶ大規模林道事業で、林道開削を促進するための予算です。この事業は、森林整備をするための林道というよりも、森林破壊し温暖化対策とは逆行するものです。
 私たちは、もっと内需を刺激し雇用や県内経済の活性化につながるような事業を、これらの大型補正予算を有効に使うべきだと考えます。その具体化として、今議会でも宮川議員が提案したように、住宅リフォーム助成制度を本県でも実施する予算は充分あります。秋田県に続いて山形県でも実施の方向であり、東北各県でも、また県内の市町村でも広がりをみせています。この住宅リフォーム助成は、利用する県民に歓迎されることはもちろん、裾野が広い建築業は、補助による地域経済への波及効果は20倍以上となっているように、県内経済を大いに活性化させることはまちがいありませんし、ひいては本県の県税の増収にもつながります。今回の補正、追加補正を使って住宅リフォーム助成事業の具体化を求めるものです。

 議案第8号「森林環境税条例の一部を改正する条例」は、2006年度にスタートしていますが、課税期限をさらに2015年度末まで延長しようとするものです。地球温暖化防止のため森林の整備等を行うことは当然ですが、県民に負担を求めて整備すべきではありません。低所得者は無料としているものの県民1人あたり年間1,000円の負担を求めることには反対です。県が必要な予算をきちんと配分し、森林整備や地球温暖化対策を確実に行うべきです。

 議案第12号「福島県租税特別措置法第70条の4の規定に係る事務処理の特例に関する条例」と議案第29号「福島県農地法に係る事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」は、いずれも昨年の農地法の改定が前提です。
 昨年(09)12月に改悪された農地法によって、自ら農作業に従事する者のみ農地に関する権利を認めるという耕作者主義の原則を解体し、「効率的な利用」が図れるとし農外企業でもよいと株式会社などの企業の参入を認める方向に大きく転換しました。この改定では「賃貸」に限るとしており、「所有権」については従来の規則を維持するとしていますが、第一条の理念を放棄したことは、今後「所有権」の自由化に道を開こうと目論んでいることは否めません。
 今月2日、東京で農業委員会会長代表者集会が開かれましたが、ここではTPPへの参加に断固反対するとともに、株式会社の一般農地取得を認める動きや農業委員会の機能縮小に反対する緊急要請決議5本の決議を確認しています。株式会社の農業参入をめぐっては、政府の規制改革を検討する「総合特区制度」で株式会社の農地取得に道を開こうとしていることから、採択された決議では、「これに対する強い懸念を無視し、農業者を主体とする農業生産法人制度の仕組みを骨抜きにするもの」と批判しています。
 本県としては、知事の権限のもとでこれまでどおり事務処理を行い、広域的な立場に立って企業や外国資本による参入については慎重な対応を行うべきです。

 次に、これとも関わりがある議案第36号の県国土利用計画の全部変更についてです。
 県の国土利用計画は、国土利用計画法第7条の規定に基づき、全国計画を基本として定めるもので、市町村国土利用計画及び福島県土地利用基本計画の基本となるものです。
 一方、国土利用計画は、国土利用の方向性を定めるビジョンであり、国土の利用に関する行政上の指針となるものです。したがって、直接に開発事業等の実施を図る性格のものではなく、事業の計画決定については、他の法令等の定めによるものとされています。
 今回提案された本県の国土利用計画の変更趣旨は、人口減少や土地需要減少等の社会情勢の変化に対応するためとなっていますが、政府の改定を受けて県の計画を変更するものです。
 2005年7月に国会で成立した国土総合開発法等一部改正(共産・民主・社民は反対)は、従来の大型開発を推進する全国総合開発計画(全総)を定めてきた国土総合開発法を改正したものです。全総開発計画自体が、公害や自然破壊、町壊し、無駄な公共事業の拡大など、住民犠牲と国土の荒廃、さらに政官財の癒着の助長にもなってきました。これに対する真剣な総括と反省も行われず、2008年7月に10年間の国土形成計画に名称が変更され、閣議決定されていますが、今後も大都市圏の環状道路、関西空港、スーパー中枢港湾、大型ダムなど不要不急の大型公共事業に重点投資するものです。その一方で、重点以外のところは放置されかねません。
 また、国会での審議や決定を要件としないなど、住民参加やチエック体制は不充分です。この計画は、現政権の民主党菅政権にも引き継がれ、その方向で具体化が始まっていることを懸念するものです。
 広い県土を有する本県は、「7つの生活圏」の考え方のもと、特定の都市に人口や機能が集中することなく、それぞれの地域が機能分担と連携によって、それぞれの地域を作り上げてきたという特徴があります。
 しかし、人口減少や高齢化の進行に伴う地域の担い手不足や集落機能の低下がすすむ本県の現状をみれば、適正に管理されない土地が増えるのではないか、地域における土地利用の維持・管理をどのように行っていくのかが懸念されますが、先に述べたように農地法の改悪により株式会社や外国企業の参入が懸念されるなど、国土利用計画や土地利用調整基本計画が上位に位置づけられているにもかかわらず、実態は土地利用に関する個別5法の運用に委ねられている現状があることをどのように解決し運用していくのかが大きな課題となっています。県は、広域的な立場から広域調整機能をどのように発揮していくのかが重要です。これいかんで今後の県土利用のあり方が大きく変わっていくことを指摘するものです。

 第16号、31、32、34、35号ですが、これらは、矢吹しらうめ荘、矢吹しらうめ通勤寮を民間に委譲しようとするものであり、さらに太陽の国のひばり寮をはじめとする7施設と、ばんだい荘わかば、ばんだい荘あおば、いわき海浜自然の家などの指定管理期間が満了することに伴い新たに指定管理者を指定しようとするものです。
 指定管理者制度のあり方については、すでに私たちが以前から指摘しているように、もともと県の福祉施設や教育施設は直営で行うべきです。
 また、34号は県営住宅の指定管理者を県中地区は特に株式会社に指定させようとしていますが、収益性が優先されて県民の人権や権利を保障する公正・適正な運営がゆがめられないかが危惧されます。
 政府が提起している「新しい公共」や新しい公共としてのNPO活動を地域づくりに生かすとしています。市民参加型それ自体はよいとしても、アウトソーシング・外部委託で公共施設の管理をNPOに任せる、「新たな公」で、県が担っていた公共部門から撤退していくことは県民生活へ多大な影響を与えることは宮川県議が本会議で指摘したとおりです。

 また、議案第37号は、県の行う建設事業等に対し、郡山市に新たに負担を求めようとするものです。この事業は旧緑資源機構が行っていたもので郡山市東部地域の外環状線として人家がほとんどないところに新たな農道を開削したなどから地元住民からも批判の声が出ていた事業でした。県が行う建設事業の負担を市町村に求めるのは中止すべきであり、こうしたムダな事業のあり方も見直すべきです。

 最後に、県営住宅の家賃滞納による明け渡しを求める訴えの提起議案第40号〜44号が提出されています。宮川議員の質問に対し、「執行にあたっては事情を考慮する」との答弁でしたが、家賃を滞納している利用者には、個々の事情が背景にあり、福祉的な対応を含めて十分丁寧な対応が必要です。また、年末を迎え寒さも一段と増す季節に向かう中で、住まいをなくすことによる利用者への影響の大きさを考慮すべきです。人道的な配慮と手立てをとることを最優先とすることを述べ、一律に強制退去させることには反対です。
 以上、議案20件に対する反対の理由を述べまして討論とします。

以上



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