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2010年 2月定例会 総括審査会質問・答弁

2010年3月17日
宮川えみ子

宮川えみ子委員
 日本共産党の宮川えみ子です。質問をさせていただきます。まずいわき市の医療問題についてです。
 医師不足問題は深刻です。自公政権での医師抑制政策が重大な事態を招きました。政策の転換がなされましたが、現状はますます深刻になっています。
 いわき市の医師不足問題ですが、最新の厚生労働省の調査によりますと、06年と08年の比較で、福島県の医師数は、97人増えて3,760人になっていますが、いわき市は16人減って575人になりました。
 病院勤務医についていえば、もっとひどく、県は43人増えているのに、いわき市は、24人も減っています。
 04年度から導入された新しい臨床研修制度、医療の高度化・専門化による病院の二極化など様々な要因が指摘されていますが、地域や診療科による医師不足が顕在化していることは事実です。
 特に、いわき市の勤務医は、悪循環になっています。減れば在籍の医師の負担がますますひどくなり辞めていく、そしてまた、残った医師の負担がひどくなるという状況です。
 県全体でも医師の絶対数が不足している中、医師の確保とともに、病院勤務医の過重な負担を軽減する対策が必要となっています。
 そこで、県は、いわき市における医師不足の現状を踏まえ、医師不足と病院勤務医の負担増に対し、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。

保健福祉部長
 お答えいたします。医師不足につきましては、これまでも緊急医師確保対策プログラムなどに基づき、医師の確保に取り組む一方、いわき医療圏に対しましては、県立医科大学からの医師派遣を始め、地域周産期母子医療センター運営費の助成や、産科医の処遇改善を実施するなど、医療提供体制の整備に努めてきたところであります。
 また、地域医療再生計画においては、いわき医療圏が相双地域の救急患者を受け入れている実状を踏まえ、救命救急センターにおける高度医療機器の購入に対して補助するほか、認定看護師の養成や医師事務作業補助者の雇用により勤務医の負担軽減を図ることとするなど、いわき医療圏の医療の充実・強化に努めてまいる考えでございます。

宮川えみ子委員
 いわき市でも深刻な医療をめぐる状況を少しでも改善させようと、さまざまな立場の方やいろいろな方達がとりくみ、運動も広がっております。お医者さんに感謝の気持ちをもとうとか、かかりつけのお医者さんを持とうとか、コンビニ受信を控えようとかそういう運動もあります。
 しかし、市民運動では深刻さはなかなか解消できません。国の低医療政策で経費が削られれば医師の経費は減らせないので、看護師などコメディカルの経費が削減されて医療全体が厳しくなると、こういう問題も出ております。今ご答弁いただいて、そういう意味での幅広い支援の観点も持っていただいているわけなんですけれども、さらに一層のご支援をお願いしたいと思います。また、このような中で一生懸命やる医師ほど訴訟などのリスクが高くなると、こういいう不満の声もあります。大野病院での問題の尾はまだ引いていると思います。医療全体が県が後退していくのではないかという意見をお持ちの方もいます。ですから、こういう声を県は、真しにとらえていただいて、いわき市の医療問題での支援をさらに強めていただきたいと思いますが、その決意のほどをよろしくご答弁をお願いいたします。

保健福祉部長
 お答えいたします。医師の確保を始めといたしまして、県民が誰もが安全で質の高い医療を受けられるというのは極めて重要な課題であります。先ほど申しましたいわきの医療圏の対応を始め、県としても一生懸命取り組んでおりますが、国に対しても医師確保や諸制度について要望、手直し等の要望をしてきているところであります。今後も、県ばかりでできることではございませんので、今後とも県立医科大学、医療機関、医師会等関係団体、それから市町村等々と一体となって医師確保を始めとした医療対策に取り組んでまいりたいと思います。

宮川えみ子委員
 この問題については、お互いに悩みの深いところでもあると思います。なんといっても国の政策が大きく前進できるように地域からも声を上げて、私どももいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 2番目の問題としては、林業問題についての質問です。林業の振興について質問いたします。
 11月に全国森林組合大会があり、史上初めて共産党も招待を受け志位委員長が挨拶をしました。日本共産党は、「輸入木材から国産材へ」と、林業の再生を国政の重要課題に位置付けております。
 先日訪問した、いわき市森林組合や磐城林業協同組合での懇談でも、行政への期待がさまざまに出されました。深刻な過疎問題を抱えているいわき市の山間部・田人の方々との対話では、林業にかかわっている方の関心が高いのは当然ですが、高齢者の方が身を乗り出して聞くのです。「働くところさえあれば息子が帰ってこれる」とこうふうにいうのです。また、イノシシに悩まされ続けられている方は、森が迫って来て、イノシシの隠れるところばかり増えている。一夜にして、稲・野菜・イモが食い荒らされ、このままでは住む人はいなくなるといいます。
 知事は、様々な角度から林業問題に触れておりますが、今、山林所有者は林業に希望を持てなくなっております。林業での収入を生計の主なものとしている世帯は、いわき市でいえば5世帯ぐらいしかなく、手入れしている森林は3〜4割しかないといいます。
 私は、このような状況を抜本的に変えていく必要があると思います。林業の再生・活性化について、知事の考えをお尋ねいたします。

知事
 宮川委員の質問にお答えいたします。木材価格の低迷や、林業の担い手の減少、また、高齢化等により林業経営をめぐる状況はまことに厳しいものがありますが、地球温暖化防止が喫緊の課題となる中で、二酸化炭素の吸収や、水源の涵養など公益的な機能を発揮する森林の果たす役割は極めて重要であると考えております。
 さらに、林業は本県を取り巻く経済・雇用情勢が厳しい状況にある中で、地域を支える基幹産業として重要な役割を果たしていると認識をしておるところであります。
 このため、「いきいき福島創造プラン」の重点施策において、「環境負荷の少ない低炭素・循環型社会への転換」や「地域に根ざした力強い産業の育成」等の中で、林業の活性化を図るためのさまざまな施策の推進に積極的に取り組むこととしたところであり、福島県としては森林環境税や森林整備加速化、また林業再生基金などを活用して、森林の適正な整備、県産木材の活用、木質バイオマスの利用促進など、市町村や関係団体と一体となって、森林所有者の収益を確保し、持続可能な林業の再生と活性化を図っていく考えでございます。

宮川えみ子委員
 いわき市で林業にかかわって働いている方と、先日懇談をしました。大学卒業で入って6年目の人や、土を踏んだ事のない暮らしをしていて突然この道に入って10年目の方など、お話を伺った会社では、15人の正社員の方々が、若い方を中心に働いておりました。定着率は100%とのことでした。20台もの最新林業機器を使って仕事をしております。林業を愛し、その未来を心配しておりました。
 また、子どもを2人育てている方は、将来の問題も提起しておりました。この方の奥さんもいわき市出身ではありませんが、地域のお祭りで、手作りクッキーを出品して賞をもらったりして地域に溶け込んでいる様子でした。このような人材が定着し、根付いていったら、どんなに素晴らしい事だろうと思いました。
 知事に、林業に対する思いを語っていただきましたので、その事が具体的にどのように進んでいくのか質問していきたいと思います。
 2010年度の林業費は、8億円も減っております。前年度比で。これでは現状を打開する方向にはならないと思います。
 林業の活性化のためには予算を拡充する必要があると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

農林水産部長
 お答えいたします。森林・林業にかかる予算につきましては、早期に経済対策効果を発現させるため新年度予算と一体となった15ヶ月予算の考え方に基づきまして、公共事業費の一部を今年度に前倒ししたことなどにより事業の確保を図ったところでございまして、今後とも、必要な予算の確保に努めてまいる考えであります。

宮川えみ子委員
 公共事業費の分が前倒しによって少なくなったとこのようにおっしゃいますが、知事がおっしゃった思いとはだいぶかけ離れた予算になっているのではないかと思います。中身を検証させていただきます。
 森の中の作業用道路、林内路網整備についてですが、これからの若い人が参入するために大変重要な課題です。機械化を進め、生産コストの削減、採算の合う材木の搬出、危険防止などで欠かせません。
 新たな農林水産業振興計画においては、林業・木材産業の振興に関する5年後の目標値をそれぞれ定めておりまが、林道や作業道に関する林内路網の整備について、県の考えをお尋ねいたします。

農林水産部長
 お答えいたします。林内路網の整備は、二酸化炭素吸収源対策としての森林整備の促進や木材生産におけるコスト縮減等を図る上で欠かすことのできない重要な事業でございますことから、今後とも計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。

宮川えみ子委員
 新たな振興計画において、目標値を5,200キロ以上にすると定めておりますが、新年度の林内路網整備計画延長と目標値との関係についてお尋ねいたします。

農林水産部長
 お答えいたします。新たな農林水産業振興計画における林内路網の整備目標値は、年平均で約45キロメートルであり、平成22年度の整備計画延長は、関係市町村等との調整結果を踏まえて約37キロメートルとしたところでございます。
 今後ともコスト縮減などを図りながら整備延長の確保に努めてまいりたいと考えております。

宮川えみ子委員
 目標値との関係では、実現可能かなあと思いますけれども、なかなか難しい、いろいろ調整もあるということなんですけれども、ちょっとそこら辺は現地の方ともう少し協議をして、要望を十分に取り入れたような形で整備をしていただきたいたいなと思いますけれども、現地の方といろいろお話をしました結果、やはり、もう少しいろいろ要望を聞いて、そういうものの推進をしてほしいと、こういう声がありますけれども、現場にいらっしゃる方との林内路網整備についての要望のとらえ方をどんなふうに思っていらっしゃるんでしょうか。

農林水産部長
 お答えいたします。路網の整備につきましては、実施主体が市町村、あるいは森林組合等の企業体ということになっておりまして、私どもといたしましては、そういった事業関係者との密接な打ち合わせといいますか、そういった要望を十分によく聞くということが重要だと考えてございます。

宮川えみ子委員
 ぜひお願いしたいと思います。そうしないとなかなか計画通りに進んでいかないのではないかとこのように心配しております。
 また、路網の整備につきましては、経済情勢が大変厳しいという中で地元建設業者の仕事おこしになると、こういうふうな声での、こういう角度からの要望も強いわけなんですね。そのことについてどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。

農林水産部長
 お答えいたします。林内路網整備事業は、森林整備のより一層の促進や木材生産コストの縮減が図られるほか、未利用林地残材のバイオマスエネルギー活用などの取り組みが促進され、さらには地域経済への波及効果も期待されることから、その推進に努めてまいる考えであります。

宮川えみ子委員
 ぜひ、よろしくお願いいたします。
 県産木材の利用拡大について質問をしたいと思います。
 林業の活性化には何より県産木材の需要を増やす事が決定的に重要と考えます。県では新年度から県産木材を使った住宅建設の促進を進めるため「森を木づかうふくしま住まいる事業」を創設して、新築住宅に限って補助制度を新設いたしました。大変いい施策と思います。しかし新築のみで50戸・30万円、予算1500万円ではあまりにも不十分と思います。
 この事業は、本会議でも経済効果があるという答弁です。補助対象を新築だけでなく民間住宅リフォームにも広げて行うべきと思いますが、お尋ねします。

土木部長
 お答えいたします。新年度に創設を予定している「森を木づかうふくしま住まいる事業」は、県産木材の利用拡大による低炭素型社会の実現と地域住宅産業の活性化を図るため、県内工務店等の施工により、県債木材を2分の1以上使用する新築住宅の建設を支援するもので、民間住宅リフォームについては対象としていないところであります。

宮川えみ子委員
 いわき市では、リフォームに対しての補助をすでに実施しております。県内でも東白川郡・石川郡内の全自治体に事業者が署名を添えた要請行動に向けた動きが広がっていると聞きます。
 民間住宅リフォームへの県の補助事業の実施により、各市町村事業との相乗効果が出ると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。

土木部長
 お答えいたします。民間住宅リフォームは、国においては、住宅リフォーム減税や新たに創設された住宅エコポイント制度等、また、県においては、木造住宅耐震診断補助や金融機関との協定による金利優遇制度などの助成・支援制度をすでに設けているところであります。
 県といたしましては、これらの制度を効果的に活用し、県民が安心して住宅リフォームに取り組めるよう、建築関係団体や市町村と連携し、広く普及啓発に努めてまいる考えであります。

宮川えみ子委員
 秋田県では、1月の臨時議会でリフォーム事業7000戸、12億6千万円でスタートさせ、今月の1日の開始直後から申し込みが殺到しているそうです。11日までの集計で申し込みは、87件、工事費2億6千万円、補助額527万円とのことです。この前、街頭演説をしておりましたら、大工さんから「景気悪くて何ともなんねー、なんとかしてくれー」とこう言われました。私の近所の大工さんも仕事がなくて出稼ぎに行っております。補助金の50倍の工事費、お金が動きます。ぜひ検討していただきたいのですがいかがでしょうか。

土木部長
 住宅産業というのは非常に経済効果が大きく、裾野も広いということでございますが、特に民間リフォーム市場が拡大するということは、経済効果があるというふうに考えております。このことから、すでに国や県などにおいて設けられておりますさまざまな制度が、効果的に活用され、安心して住宅リフォームに取り組めるよう、広く普及啓発に努めてまいりたいと考えております。

宮川えみ子委員
 この間、林業関係の社長さんとお話ししたんですが、なかなか新築はむずかしいというか、ないことはないんですがね、、やっぱりこれからはリフォームが重要じゃあないかなと、現場を知っている方は言うんですよ。新築は無理だけどリフォームはという人は多いわけですね。実は、私の家も2年前、耐震診断をしましたら、0.26だというわけで、なけなしのお金をはたいてリフォームをしました。大工さんは地元の方で、ダイニングの床の木の感触を楽しんでおります。ぜひ、調査をしてですね、できれば補正予算も視野に入れて検討していただきたいと思うのですがいかがでしょうか。

土木部長
 民間住宅リフォームにおきますさまざまな県の制度の中には、いま委員ご指摘の耐震対策等も含めておりますし、また、高齢者住宅向けとか、さまざまな施策に応じた、それぞれの目的に応じた制度を補助制度としております。それを多くの方々に利活いただき、ご理解いただきながら、普及・啓発に努めていきたい。そして、結果として経済波及効果があるよう進めていきたいと思っております。

宮川えみ子委員
 ここで、やりますというわけにもいかないのではないかと思いますが、私、思うのはいろいろな、私はいま、林業問題を中心に質問をしているんですけれども、やはり、本議会全体の大きなテーマは、県内においての経済の活性化をどのようにしていくか、そして雇用をどう増やしていくか、これがやはり全体の大きなテーマだと思うんです。ですから、あらゆる分野でそういうふうなことが推進できるような形、そういう施策というのがいま本当に要望されていると思うんですよ。
 それでいま、いろいろと国の施策、いろんな施策があるといわれましたけれども、私は相乗効果というものを大事にしていただきたいと思うんです。例えば、秋田県の話をしましたけれども、県はこういう政策をする、県は20万円だ。じゃあ、うちの町ではあと5万円出すか、10万円出すかというふうなことなんですね。そうしますと、なかなか、やっぱりいまこういう経済状況の中で大きな仕事にお金を出すということは、決断がいるんですね。そういう相乗効果というものが、決断をして、やはり、じゃあリフォームをやってみようかとなっていくと思うんです。ぜひですね、ご検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

土木部長
 人それぞれが豊かな暮らしをし、そして住まいがしやすいようなそういう環境づくりも大事だと思っておりますし、そのためにさまざまなバリアフリー、さらにはまた低炭素社会に向けたエコ住宅、さまざまな取り組みがなされ、そしてそれがまた民間活力によってもいま進められてきております。そういう総合的な視点で民間住宅リフォームに対して、景気下支えとなるようなそういうことも期待していきたいと思っておりますし、それを含めまして、さまざまな制度につきまして多くの県民のみなさまにご理解いただくような、そういった普及・啓発にさらなる努めをいたしていきたいと思っております。

宮川えみ子委員
 これ以上は質問はしませんが、ぜひ、大工さんとか、多くの県民の方が注目しておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、国産材での、公共事業での率先使用も効果的であると思います。利用を進めるために、庁内組織や計画目標を定めているとのことですが、「ふくしま県産木材利用推進計画」における目標値とその実績についてお伺いいたします。

農林水産部長
 お答えいたします。現在、平成19年度から23年度までを計画期間とする「ふくしま県産木材利用推進計画」に基づき、新築公共建築物は1平方メートル当たり0.22立方メートル以上、公共土木事業では毎年度5千立方メートル以上の木材利用を目標に取り組んでおり、平成20年度までの実績は、公共建築物で100%、公共土木事業で85%の達成率となっております。

宮川えみ子委員
 ぜひ、100%の推進を図っていただきたくお願いしたいのですが、決意のほどはいかがでしょうか。

農林水産部長
 お答えいたします。来年度から新たに木造の公共建築物に対する支援の制度も創設したいということで予算にですね盛り込ませていただいているところでございますで、さらなる推進に向け努力してまいりたいというふうに考えております。

宮川えみ子委員
 それでは、間伐材の利用促進・雇用の促進についてお尋ねいたします。
 新たな振興計画においては、間伐材の利用量を現状の5万7千立方メートルから、2倍以上の12万立方メートルに増加させる計画であるとのことです。いま林地に捨て置かれている間伐材を有効に活用することを念頭に置かれていると思いますが、利用拡大は環境の面からも雇用拡大の面からも有意義であると思います。間伐材の利用拡大のため、どのような対応策を取ろうとしているのか、お尋ねいたします。

農林水産部長
 お答えいたします。間伐材の利用拡大につきましては、木質バイオマスエネルギーなど新たな分野等での需要拡大が見込まれますことから、施業集約化の推進や機械化によるコストの縮減と併せて、今年度設立いたしました福島県素材流通機構を核として、大口需要に対応する安定供給体制づくりに取り組むこととしております。
 また、県内各方部において、中核となる間伐材加工施設の整備を支援し、生産から加工・流通に至る支援を通じ、間伐材の利用拡大に積極的に取り組んでまいる考えであります。

宮川えみ子委員
 間伐材の搬出促進のための助成も行われておりますが、補助金のかさ上げなど未利用の残材搬出をより一層推進することが、新たな雇用も生まれると思います。間伐材搬出補助金の引上げと支援対策の在り方についてお伺いいたします。

農林水産部長
 お答えいたします。間伐材等の搬出補助金につきましては、建築用材向けに対し、1立方メートル当たり500円、燃料向けに対し、1立方当たり最大3千円を2年間助成することとしており、これらは、搬出条件が厳しく採算の合わない箇所や新たな生産供給活動の立ち上げ支援と位置づけているところでございます。
 これらに加え、林内路網の整備や林業機械の導入による作業の効率化、有効活用のための加工施設の整備などを支援し、総合的な未利用間伐材対策に取り組んでまいる考えであります。

宮川えみ子委員
 ある林業経営者の方は、「間伐材でも一定の価格がついて採算が合えば、安定した仕事が可能になって、雇用もさらに増やすことができる」とそのように話しておりました。働いている人は、「外国からチップ材まで輸入する一方で、日本では人件費までかけて間伐して、その材を捨てておくのは悲しいことだ」と、このように話しておりました。
 林業の新規就業者の定着率は前段申し上げたようなところもありますけれども、一般的には4割と他産業に比べ非常に低い実態があります。林業に人材を集め、安定した収益のもとで将来展望を可能とし、定着を促進するためには、林業従事者の収入増大が不可欠であると思います。
 いろいろと国との関係で規制も進んで、そういうものの大口需要というのも増えていく可能性は多分にあるんですけれども、当面、林業従事者の収入増と定着のためのために、そうした対策を強化することは、非常に大事かと思いますけれどもいかがでしょうか。

農林水産部長
 お答えいたします。離職者に対するアンケート調査を実施しておりまして、その結果を見ますと林業就業者の離職要因といたしましては、体力的な理由によるものが全体の4割を占め、仕事の不適応が約1割、次いで、給与等となってございます。
 このため、高性能林業機械の導入によって労働負荷の軽減と作業の効率化による収益性の拡大を図ってまいります。
 また、来年度から新たに、業務内容をあらかじめ理解できるよう林業現場での事前の実践研修を実施いたしますとともに、社会保障制度のより一層の充実を図るなど就業条件の改善に努めたところであり、今後とも、就業者の確保と定着に積極的に取り組んでまいる考えであります。

宮川えみ子委員
 いま、離職、定着の問題でお話ありましたけれども、やはり機械化の促進などで非常に安全で体力にもそんなにきつくないような形での雇用、仕事ができるということですね。それからあとは、給与の問題だと思うんですよ。
 だから、林業問題は、いま非常に注目をされてきて、そしてひとつの大きなスタート地点ではないかなと思うんです。ですからこれが一定の軌道に乗るまでの人材確保と、そういう定着のために、いま、県が力を入れる必要があるのではないかなというふうに思います。林業就業者の目標達成のためにどのように対策をとろうとしているのかお伺いいたします。

農林水産部長
 お答えいたします。林業就業者の確保につきましては、安定雇用の促進に向けて、施業の集約化や機械化により、就労環境や収益の改善を支援するとともに、就業希望者から魅力ある職場として選択されるよう、森林整備担い手対策基金事業等を活用いたしまして、オペレーター資格の取得や福利厚生の充実などを支援し、就労条件の改善を図ってまいります。
 また、国の緑の雇用担い手対策事業につきましては、新規就業者の育成に大きな役割を担っていることから、今後も継続実施されるよう働きかけてまいりたいと考えております。

宮川えみ子委員
 知事の積極的な思いをぜひ大きく前進させるためにご努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

以 上



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