HOME BACK ご意見・ご要望をお寄せ下さい
TOPICS
議員団紹介
政策・提案・見解
県議会報告
県政の資料
議員かけある記

2009年2月県議会 神山一般質問
09/3/3 県議 神山悦子
一般質問

答弁

再質問

答弁

再々質問

答弁

一、「構造改革」について

 日本共産党の神山悦子です。最初に、知事におうかがいします。
 日本経済は、昨年までと大きく様変わりし、日本の産業構造まで問われる事態になっています。昨年10月〜12月期のGDP(国内総生産)は、実質12.7%の大幅マイナスとなりました。しかし、リーマンショック(08年9/15)を引き起こしたアメリカは3.8%、ヨーロッパは6%です。なぜ、日本はこれほど悪化したのでしょうか。
 歴代の自民党内閣、特に小泉首相・竹中ラインで強力におしすすめられた「構造改革」路線によって、極端な外需頼みの産業構造、労働法制の改悪、「貯蓄から投資へ」というアメリカモデルの金融の自由化・証券化を誘導してきたことが、日本の経済をこれほど脆弱なものにしてきたと思います。
 また、国民に対しても大増税と社会保障の改悪によって9年間で11兆円もの負担増となり、地方に対しても、「三位一体」改革で地方交付税は3兆円以上も削減されました。
 あらゆる分野に壊滅的な打撃を与えてきた政治の責任はあまりにも重大です。そして、日本のルールなき資本主義と企業のモラルが、今ほど問われている時はありません。

 最近、小渕内閣時代のブレーンだった一橋大学名誉教授の中谷巌氏が、「構造改革」路線はまちがいだったとの“懺悔の書”「資本主義はなぜ自壊したのか」を出版し注目を浴びています。また、経済同友会終身幹事の品川正治氏は、「ものづくりを支える終身雇用の日本型経営で労働者とその家族を大切にし、ルールある経済社会を」と提唱し、経済や社会を「人間の目」で根本的に問い直すことを呼びかけています。
 知事は、政府がすすめてきた「構造改革」について、どのように評価しているのかお尋ねします。

二、雇用問題について

 深刻な雇用問題についてお尋ねします。
 今から80年前の大恐慌のときも、今日の状況とよく似ています。「福島県議会百年」によれば、1932年〜1934年(昭和7〜9年)に「失業救済」で臨時県会がたびたび開かれ、都市失業者、木炭業者・漁業従事者、無医村医療の問題、欠食児童の取り扱いなどが討議されています。県の答弁によれば、失業救済事業は、3年間で福島・若松、郡山の3都市及び湯本町における失業労働者の延べ人員は14万8,800人、娘の身売りは2年間で3,000人を超えると報告されています。これらの窮状に県会は、超党派で時局救済問題を深刻に討議したと記されています。
 今日においても、党派や立場の違いを超えて県民のくらしと雇用を守るために、県も県議会も共に真剣に取り組んでいくことを呼びかけるものです。

 先月27日の厚生労働省の発表によれば、今月末には15万7,806人が失業するとされ、業界団体は製造業だけでも40万人との指摘もあります。県内では、5,363人にのぼるとされ、年末と1月の発表では愛知県、長野県に続く全国3番目、今回は6番ということですが、本県は東北で最も失業者が多い県であることに変わりがありません。
 県内でも会津若松市の富士通マイクロエレクトロニクスが岩手・若松・三重工場を含め2,000人の配置転換をすると発表したほか、スパンション・ジャパン(1,100人)は会社更生法の適用を申請中であり、アルプス電気通信デバイス事業部の相馬工場(630人)も今年中の閉鎖が伝えられています。このままでは県内の経済の底が抜けてしまいかねません。
 知事は、先ごろ富士通本社へ直接出向かれ、再考を求めたようですが、私たちも2月18日に若松工場を訪問し、退職を前提とした強制配置転換をやめるよう要請しました。今後もさらに雇用悪化は続きますので、以下の点をふまえ県内の企業、特に県が誘致した企業に対して要請を行うよう求めます。

 1点目は、労働者派遣法の現行法のもとでも、労働者を守る道が開けたということです。2月4日の志位委員長への国会答弁では、偽装請負などの違法な働かせ方をしている場合には「派遣期間として通算される」と舛添厚生労働大臣が明確に答弁しました。これは初めての公式答弁です。さらに、現行派遣法の大原則は「常用代替の禁止」となっています。例えば製造業のあるラインが「同一場所の同一業務」を3年以上続けていれば、派遣先企業は直接雇用の義務が生じます。3ヶ月以上のクーリング期間を置いたとしても、同じ仕事を派遣労働者で続けていれば違法となる疑いがあります。私たちは、2月19日に福島労動局に対して、この点を指導・監督するよう申し入れたところです。
 国の機関とも連携しながら、県としても派遣社員が3年を超えて派遣された場合の直接雇用について、企業に対し適正に実行するよう申し入れるべきと思いますが、県の見解をおたずねします。
 また、県内のハローワークが連日相談者であふれ、2時間も3時間も待たされているのに、県内の2つの出張所が廃止されようとしています。
 ハローワーク石川出張所と浪江出張所の存続について、国に求めるべきと思いますが県の考えをお尋ねします。

 2点目は、「企業の社会的責任」についてです。
 トヨタ自動車、キャノンなど大手輸出関連企業は、業績が悪化したから雇い止めはやむをえないといっていますが、つい1年ほど前までは好景気で空前の黒字を出していたはずです。
 製造業大手の内部留保は、97年から10年間で88兆円から120兆円へと急増しました。一方で、非正規労働者も1,152万人から1,732万人へ1.5倍に急増しています。労働者をコストとみなして安い賃金で使える派遣労働に置き換えてきたことが、いかに膨大な利益を上げてきたのかを物語っています。しかし、この巨額の内部留保のうち手元金のごくわずか1%、約1.2兆円取り崩すだけで、40万人の非正規社員の雇用を守ることができるのです。大企業は内部留保を取り崩せというと設備投資に回す予定などといいますが、実際には証券・株主への配当割合は2倍に増えているのです。
 県は、企業に対し、内部留保や株主への配当の一部を使えば雇用を守れることを示すなど、雇用と地域経済を守るために「企業の社会的責任」を果たすよう強く要請すべきと思いますが、見解をお尋ねします。

 3点目は、県の企業誘致と補助金についてです。
 県は、会社更生法の適用を申請したスパンション・ジャパンへ、県の産業集積促進補助金として07年度に2億7,200万円支出していますが、スパンション・ジャパンに対する今年度の補助金支出は見合わせるべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
 また、県の戦略的誘致補助金交付要綱には、補助金返還に関して、第14条の『正当な理由なく』休止・廃止した場合についてのみであり、倒産などの場合については条文がありません。戦略的企業誘致補助金交付要綱を見直す必要があると思いますが、県の見解をお尋ねします。

 また、知事が就任以来、県の重点政策として掲げ、自らも営業本部長となってすすめている「企業誘致」ですが、企業誘致補助金の限度額を5億円から35億円へと一気に7倍も引き上げ、戦略的企業集積を図ってきましたが、このうち自動車・ITなどの輸出関連企業は今回の金融危機をもろに受けました。これまでも指摘してきたところですが、これを機会に「企業誘致」戦略については再検討し、県内の中小企業や地場産業を支援する内需型・地域循環型の産業構造に転換すべきではないでしょうか。
 戦略的企業誘致補助金の補助限度額を大幅に引き下げるべきと思いますが、県の見解をお尋ねします。

 4点目は、県独自の雇用対策と産業についてです。
 県が、昨年11月25日に経済・雇用対策本部を立ち上げ、中小企業への経営安定特別資金の枠を610億円まで広げましたが、雇用対策においても知事自ら先頭に立って経済団体や企業へ直接要請したほか、国の補正予算を生かして県営住宅等の入居をはじめ、県の直接雇用をいち早く打ち出したことで市町村にも広がりました。迅速な短期的臨時雇用や中・長期的な雇用創出の取り組みなど、全国からも注目されています。
 まず、県が独自にすすめている今年度における緊急雇用対策の実績をお示し下さい。
 また、昨年度末でいったん中止していた就職促進支援員により、高校生の就職活動を支援すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 ところで、新年度以降の農業や林業分野への雇用拡大ですが、もともと本県の基幹産業は農業であり、安全・安心な農作物、自給率の引き上げ、環境面など県民の期待が大きい分野でもあることから歓迎するものです。
 しかし、せっかく就業しても生活できなければ離職してしまいかねません。現在の農家の手取りは、時給換算175円という低さですから、これを抜本的に引き上げるような所得と農産物の価格保障での支援がどうしても必要です。
 新規就農者を定着させていくために、県は、関係団体や市町村とも協力し、新規就農者へ月15万円の所得保障を行なうべきと思いますが、考えをお尋ねします。
 また、青果物価格補償事業の県の負担割合を1/4から引き上げること。また、米や飼料用米などに対する県独自の価格保障を行なうことを求めますが、県の考えをお尋ねします。

 さらに、介護や福祉への雇用についてもこれまで不足していたマンパワーを多く必要とする分野に雇用を増やす絶好の機会です。介護や福祉関連は、住民サービスの質を確保するだけでなく、地域の仕事や消費を増やすことにもつながり、「一石二鳥」どころか「一石三鳥」にもなる経済波及効果の大きい分野です。
 ところが、あまりにも低い賃金と介護現場の労働条件の劣悪さが定着しなくなった要因です。介護従事者に対し生活できる賃金が確保されるよう、県の支援が必要だと思いますが、見解をおうかがいします。
 また、こうした観点に立ち、土木部の公共事業についても、地域の雇用拡大につながる地域密着型の事業を増やしていくべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

三、原発・プルサーマル問題について

 次に、原発とプルサーマル問題についてうかがいます。
 本県は、前知事のもとで98年に全国で初めてプルサーマル計画の受け入れを表明しましたが、高浜原発用のMOX燃料検査データの改ざんが発覚したことなどから、県は3役と各部長らによる「エネルギー政策検討会」を立ち上げ検討を重ねていました。その最中の02年8月29日、東電による検査記録のデータ改ざん・事故かくしが発覚したのです。前知事は、同年9月県議会の所信表明で「プルサーマルの事前了解は白紙撤回」を議会で正式に表明し、「核燃サイクルについては、いったん立ち止まり」、「情報公開を進めながら今後のあり方を国民に問うべき」としました。このことは、県の「中間とりまとめ」においても指摘しています。
 県議会も「前提条件が崩れたプルサーマル計画は実施しないこと」など、10項目の意見書を全会一致で採択し、同年10月11日付で国へ提出したのです。

 監督官庁である国の原子力・安全保安院は、2002年8月に発覚した東電の検査記録の改ざん・事故について2年前に申告を受けていながら、地元には一切公表していませんでした。これは、二重に県民の信頼を裏切るものでした。
 さらに、02年と05年の2度にわたり県議会が意見書で求めた原子力安全・保安院を推進機関から分離することについても方向性は見えません。05年に求めた高経年化対策についても安全面からみて十分とはいえません。それどころか、寿命をさらにのばす「維持基準」の導入まで行い、定期点検の間隔を13ヶ月から24ヶ月に延ばそうとしています。
 国は、プルサーマル計画を導入しようとする自治体に対し、来年度から新たな交付金制度のしくみまでつくるとしており、カネにものを言わせて原発行政を推進しようとしているのは問題です。
 国のこれまでの原子力政策に対する姿勢や取り組みについて、県の見解をお尋ねします。

 一方、東電においても、02年8月のデータ改ざんの不正事件以後も、06年2月の温排水のデータ改ざんや知事が就任された直後の06年11月にも過去の臨界事故隠しが発覚し、さらに07年の柏崎刈羽原発震災では活断層隠しや断層の過小評価が次々と発覚し、昨年6月には、放射線管理区域で18歳未満の少年を働かせていたことも発覚しました。
 また、先月25日の午前4時過ぎに、福島第一原発1号機で起動操作中に原子炉圧力の調整弁が閉まり、炉圧力が一時、保安規定以上に上昇するトラブルが発生し、原子炉を手動停止しています。こうした重大な事故やデータ改ざん、トラブル隠しが続いており、法令遵守と企業倫理という観点からみても、東電の体質が改善されたとは認めがたいと思うのですが、県の見解をお示し下さい。

 もともと国は、現在の原発からでる使用済みプルトニウムを利用し、高速増殖炉「もんじゅ」で燃やす「核燃料サイクル」政策をすすめる予定でした。ところが、95年にもんじゅが大事故を起こし動かせなくなったことから、既存の軽水炉の原発を利用して、ウランにプルトニウムを混合したMOX燃料を燃やす「プルサーマル計画」に変更したのです。
 しかし、プルサーマル計画は、(1)制御棒の効き目を悪くさせ、毒性が強いダーティプルトニウムをつくり出すため、労働者の被曝をひどくさせるなど危険性を一段と増やします。(2)再処理などにもカネがかかりすぎて経済的にも資源的にもメリットはなく、(3)使用済みMOX燃料は、消滅年数が極端に長くなり、超ウラン元素が増えるため処分はいっそう厄介になるなど、問題が増えるばかりです。青森県六ヶ所村の再処理工場はトラブル続きであり、ガラス固化もことごとく失敗しているように、使用済み核燃料の保存、処理技術も未確立です。
 そのうえ、プルサーマルを実施する予定の1の3号機は30年以上もたつ老朽原発です。この原発でのプルサーマル計画は、安全性を無視した無謀なものといえるのではないでしょうか。諸外国でも9カ国55基から5カ国36基(07年12月現在、「原子力2008」より)へと撤退が続いています。
 県民全体の安全・安心を確保するという県の立場からみれば、立地町の思惑だけでプルサーマル計画を受け入れるべきではないと思いますが、知事の見解をうかがいます。
 国は、プルサーマル計画を受け入れるならば、県に対し核燃サイクル交付金を60億円出すとしその締め切りが3月31日です。しかし、国はこれを廃止したあとも別の交付金を検討しているようですが、県民全体の安全・安心をカネで売り渡すようなことはすべきではありません。県の賢明な判断を求めるものです。

 ところで、双葉町は、かつては他の市町村がうらやむほどの原発交付金を受けていたはずです。ところが、実質公債費率が30.1%となり、全国で6番目、本県では一番高くなっています。
 県は、双葉町の財政状況をどう認識し、今後の財政運営に対してどのように支援していくのかお尋ねします。

四、来年度予算編成について

 麻生首相は、口を開けば「100年に一度の経済危機」といいますが、来年度の国の予算編成をみても深刻な国民の生活危機を救うのには程遠い内容です。

1、セーフティネットについて
 セーフティネットに穴があいている今の日本では、一旦こぼれ落ちたら貧困から容易に抜け出せなくなり、誰もがいつ転落するかわからないという不安を抱えています。先月22日、福島市で行なわれた県民集会には23人の労働相談があり、その中には夫婦で住まいを失くした方もいてさっそく対応したところです。
 県内の自殺者数は、県警のまとめによると1昨年より80人減少したものの昨年1年間で595人、自殺理由の7割以上が経済問題と健康問題でした。
 県民の所得は大幅に減収しています。まず、5年ごとに総務省が実施している「就業構造基本調査」における世帯所得別での年収300万円未満の世帯数と、総世帯数に対する割合について、直近の調査結果を含め、過去3回分の数字をお示し下さい。

 また、国民健康保険の滞納者も、昨年度18.32%から22.67%へ4.3ポイントも急増しています。国民健康保険税の滞納を理由とした国保証の取り上げを一律にしないことや、高齢者、障がい者のいる世帯には特に配慮することを市町村に徹底するべきと思いますが、県の考えをうかがいます。
 また、生活保護を基準とした医療費の一部負担金の減免基準を作成し市町村に示すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
 さらに、生活保護についてですが、リストラや倒産、病気などで収入がなく生活困窮者となった場合、現行の生活保護法のもとでも、たとえ住所がなくても福祉事務所で生活保護の申請を受け付けることになっています。
 福祉事務所に対し、生活保護申請への迅速な対応の徹底を図るべきと思いますが、県の考え方をお示し下さい。

 次に、介護保険についてですが、介護保険制度がスタートして今年で10年目を迎えます。この間の改定によって、保険料・利用料の負担増や軽度の人のサービスが切りすてられるなど「保険あって介護なし」という状況が続いています。
 今年は、3回目の介護報酬の改定時期を迎えます。国は、介護従事者が離職して人が集まらないという国民の批判を受けて4月から介護報酬を3%引き上げるようですが、「焼け石に水」というのが現場の声です。介護サービスや介護施設などの基盤を増やすと保険料・利用料にはねかえるというしくみ上の問題が原因ですが、国がもっと財政支援を行うべきです。
 県としても、県の介護保険財政安定化基金を活用し、保険料の引き下げと介護施設の整備の促進を図るべきと思いますが、見解をお尋ねします。

 妊婦健診事業を国が14回分を全額補助することになり、これを受けて県も第1子からに対象を広げます。一方、子どもの医療費無料化助成制度については、県が独自に就学前まで引き上げてから8年になりますが、年齢アップには消極的です。県内では、7割を超える市町村が年齢を拡大する方向になっており、隣県の群馬県は、今年10月から通院・入院とも中学卒業までの無料化をうちだしました。県は財政難を理由にしていますが、麻生内閣は09年度予算で1兆円の地方への増額を行なうとしています。
 貧困層が増えている今だからこそ、子どもの医療費無料化対象年齢を拡充すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

2、大型事業について
 県の来年度予算には、大型事業の小名浜東港建設に総事業費で54億2,400万円、県費負担だけでも32億7,180億円支出する予定です。あぶくま高原道路(トラハイ)があと数年で終了することから、土木部の予算は、6本の連携軸の道路建設や、小名浜港東港の整備に優先的に回されようとしています。
 小名浜東港に向ける予算を、むしろ削減され続けている医療・福祉・教育分野へ回すべきです。
 小名浜港東港整備を中止すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。

 また、福島空港についてですが、今年1月末で日本航空が撤退したいまこそ「閉鎖」を視野に検討すべきです。ところが、毎年4億円の赤字続きなのに、さらに利活用促進として2人の職員を派遣するほか、航空会社に対しても、1/2の着陸料・停留料減免を、さらに国内便は1/4に、国際便は1/15にするとしています。福島空港について、これ以上の県費投入はやめるべきです。県の考えをおうかがいします。

五、教育行政について

 教育予算全体が抑制されている中で、中高一貫校への投資はあまりにもアンバランスではないでしょうか。初の県立中学校を併設した会津学鳳中学校・会津学鳳高校の校舎・運動施設などの建設費には約63億円、併設型の双葉地区教育構想の富岡高校は、約11億円の建設費が投入され、維持管理費も多額です。
 その一方で、特別支援学校の整備については、大笹生養護学校の整備以外は、計画すらみえてきません。特別支援学校の教室不足解消のために、整備の年次計画を明らかにすべきと思いますが、県教育委員会の考えをお聞かせ下さい。

 また、双葉地区教育構想の富岡高校に国際スポーツ科を設置しましたが、公式競技用の体育館を整備し、特別な指導者まで配置し、全国から選手を勧誘して地区・県大会での上位を独占するというやり方は、県立高校や中学校の部活動に格差を生み出しかねず、また、学校スポーツは競技を通じて人格の形成を図るという点からみても疑問です。
 中学校及び高校におけるスポーツの目的に大きな障害が出ているのではないかと考えますが、県教育委員会は、どのような認識を持っているのかお尋ねします。

 次に、文部科学省の事業で今年度から始めたスクールソーシャルワーカーについてですが、国の予算削減のあおりで今後の継続が危ぶまれています。スクールソーシャルワーカーは、スクールカウンセラーとは違う役割をもち、学校からみえにくい問題を家庭にを訪問して、領域にまたがる問題を児童相談所や福祉事務所などの専門機関につなぐなど、全体をみて連携・仲介・調整をする専門職です。スクールソーシャルワーカーの役割と今後の位置づけをどのようにしていく考えなのか、県教育委員会の見解をうかがいます。
 今日の経済不況を受けて貧困家庭が急増している中ですから、むしろ拡充すべき分野です。児童福祉法や子どもの権利条約に照らし、子どもたちが心身ともに豊かに成長できる環境を保障していくよう求めまして、私の質問を終わります。

以上


答弁

1.構造改革について

知事

 構造改革につきましては、わが国における経済の長期的な低迷や労働力人口の減少といった状況を打破し、経済、社会を活性化させることを政策課題として、様々な制度の見直しがすすめられてきたところであります。
 その過程においては、長期の景気拡大を実現した一方で、セーフティネットが十分に整備されないままに、早急な改革が行われたことから、大都市部への一層の人工手中や地域間格差の拡大、さらには雇用不安の深刻化など、様々な社会現象を引き起こしているものと考えております。
 また、「国から地方へ」のスローガンの下に進められた国と地方を通じた行財政改革についても、国の財政再建を優先するあまり国庫支出金と地方交付税が削減される一方で、本来はそれらと一体的に行われるされていた税源配分の抜本的な見直しは行われなかったことから、原価の地方財政のひっ迫を招いたものと考えております。

2.雇用問題について

商工労働部長

 派遣社員への切り替えにつきましては、国において適切に指導監督されるものと考えておりますが、県といたしましても安定した雇用の確保は極めて重要であることから、引き続き、派遣労働者を始めとした非正規労働者の正規化について企業に対し、機会をとらえて要請してまいる考えであります。
 次に、本県におけるハローワーク出張所の存続につきましては、石川及び浪江出張所の代替施設として求職者に対する職業相談・職業紹介、求人情報の提供等を行う地域職業相談室が設置されることになっておりますが、地域住民へのサービスの確保が図られるよう国に働きかけてまいりたいと考えております。
 企業の社会的責任につきましては、法令、社会的規範の遵守とともに、雇用の維持・創出等の地域貢献なども求められているものと考えております。
 厳しい経済・雇用情勢の下、今後も、様々な機会をとらえて、県内の経済団体や企業に対して、雇用の維持・確保を要請してまいる考えであります。
 スパンション・ジャパンに対する補助金支出につきましては、同社が会社更生法の適用申請を行ったことから、当面は更生手続きの推移を注視しており、今年度の支出につきましては、見合わせているところであります。
 戦略的企業誘致補助金交付要綱につきましては、今後とも、補助金交付の目的が達成されるよう、必要に応じて、適切に判断してまいります。
 次に、戦略的企業誘致補助金につきましては、地域間競争が激化している状況にあり、企業誘致が、地域振興とりわけ地元中小企業の活性化や雇用創出にも起用することから、今後とも、厳しい経済情勢ではありますが、現行制度に基づき、企業誘致や地域産業の振興に、取り組んでまいる考えであります。
 次に、県独自の緊急雇用対策につきましては、本年2月27日現在で県の直接雇用により112人を、民間委託により19人をそれぞれ採用しております。
 また、離職者の県営住宅入居については、3戸の入居となっております。
 次に、就職促進支援員につきましては、厳しい雇用情勢の中、新規高卒者の就職を促進するため、県と国が共同で実施する緊急地域共同就職支援事業により、本年2月に県内各地域に配置し、高等学校の就職指導の充実と求人開拓の推進に努めているところであります。

農林水産部長

 新規就農者につきましては、経営開始に必要な資格取得や農具類整備に係る経費を支援する県単独の融資制度を設けております。
 この資金は借り受け後5年以上就農するなどの一定の要件を満たせば償還を免除するものであり、平成7年度の創設以来、900件以上の利用実績となっております。
 また、今年度、就農前の研修中に必要となる生活資金を無利子で貸し付ける制度を創設し、就農に向けた条件整備を行ったところであります。
 今後とも、市町村や農業団体等と連携してこれらの制度の積極的な利用を推進してまいる考えであります。
 次に、青果物価格補償事業の負担割合につきましては、補償準備金を行政と生産者が均等に負担し、さらに、行政の負担金については県と市町村が均等に負担する仕組みとして事業を実施しており、今後とも、事業の健全な運営に努めてまいる考えであります。
 米の価格保障につきましては、国において、米価が下落した場合の収入減少を緩和する対策として、水田経営所得安定対策を実施しております。
 また、飼料用米につきましては、国においては、飼料自給率向上に向けた水田等有効活用促進対策による助成を実施することとしているほか、県においては、新たな飼料用米の作付けに対し、本年度からぢくじの支援を行っているところであります。
 今後とも、これらの対策の積極的な活用により、農家の経営安定に努めてまいる考えであります。

保健福祉部長

 介護従事者の賃金につきましては、事業者に支払われる介護補修等により賄われるものであることから、介護報酬を決定する国において、介護労働者の実状を踏まえた適正な報酬体系を確立すべきものと考えております。

土木部長

 土木部の公共事業につきましては、県政進展のため、計画的・効果的に事業を推進しているところであります。
 地域密着型の事業についても、地域住民からの要望を踏まえ、道路や河川等の身近な生活基盤の改善や交通安全対策を実施しており、緊急経済・雇用対策として、2月補正予算において、新たに20億円を計上したところであります。
 今後とも、地域の雇用拡大にも配慮しながら、県民生活の安全・安心の確保に取り組んでまいる考えであります。

3.原発とプルサール問題について

生活環境部長

 国の原子力政策に対する姿勢や取り組みにつきましては、県民の安全・安心の確保が図られることが基本であり、法令等に基づき、安全規制を一元的に所管する国が、責任を持って対応することが何より重要であると認識しております。
 原子力政策については、今後とも、立地自治体としての立場から国に対して、申し上げるべきことは申し上げてまいる考えであります。
 次に、東京電力の体質改善につきましては、平成14年に判明した不正問題以降、これまで一貫して、再発防止対策の充実・強化を求めてきたところであります。
 事業者においては、改善に向けた取り組みが行われておりますが、県といたしましては、事業者は、情報公開の徹底や協力企業も含めた安全管理システムの改善など、安全・安心の確保対策を1つ1つ着実かつ継続的に実施し、信頼回復に向けた努力を積み重ねていくことが何よりも重要であると考えており、今後とも、引き続き、その取り組み状況を注視してまいりたいと考えております。

知事

 プルサーマル計画につきましては、去る2月9日に、原子力発電所所在町の町長、町議会議長のみなさんから、国や事業者の不正再発防止対策が機能し、信頼できる取り組みがなされてきたとの認識から、本県においても議論の再開を検討するよう要請を頂いたところであります。
 しかし、また一方では、安全性に不安があることなどからプルサーマル計画を認めるべきでない、あるいは、受け入れのための議論はすべきでない等の御意見も寄せられております。
 私といたしましては、不正問題再発防止対策、耐震安全性の確保、信頼できる安全規制体制の確立の問題など、県民の安全・安心を確保するため、これまでの経緯や県民の皆さんの御意見を踏まえてどのように対処すべきか、慎重の上にも慎重に熟慮を重ねていかなければならないとの思いを強くしているところであります。
 いずれにいたしましても、引き続き、県民の安全・安心の確保を最優先に、しっかりと対応してまいる考えであります。

総務部長

 双葉町の財政状況につきましては、平成19年度決算に基づく実質公債費比率が30.1%と地方公共団体財政健全化法で示された早期健全化基準を上回ることとなり、また、財政構造の柔軟性を示す経常収支比率が99.6%となるなど、現段階においては厳しい財政状況にあります。
 このため、双葉町では、このような厳しい財政状況を踏まえ、平成22年度決算において実質公債費比率が早期健全化基準を下回ることを目標として、行財政改革に積極的に取り組んでいるところであり、県といたしましては、財政計画策定に対する助言や財政診断の実施などを通じて、町の財政健全化の取り組みを支援しているところであります。

4.来年度予算編成について

企画調整部長

 世帯所得につきましては、総務省が5年ごとに行っている就業構造基本調査によりますと、本県における年収300万円未満の世帯は、平成19年が26万1900世帯で、平成14年が22万9200世帯、平成9年が17万世帯となっております。
 また、当該調査の総世帯に対する割合は、平成19年が34.9%で、平成14年が31.8%、平成9年24.7%となっております。

保健福祉部長

 滞納した場合の国民健康保険証につきましては、これまでも市町村に対し機械的に保険証の返還を求めることなく、滞納者との接触の機会を確保し納付相談を行うなど、きめ細かな対応を行うよう助言してまいりました。
 今般、保険証を変換している世帯の被保険者が受ける必要が生じた場合、緊急的に短期被保険者証を交付することなどについて国から通知があり、県といたしましては、この通知の趣旨を市町村に対し、改めて徹底してまいる考えであります。
 次に、一部負担金の減免につきましては、災害や事業の休廃止、失業などの事由により生活が著しく困難になった被保険者に対し保険者の判断により減額や支払い免除できることとされております。
 このため、減免基準は、保険者である市町村の判断により策定すべきものと考えており、県といたしましては、実態を把握し、必要に応じ、助言してまいります。
 生活保護申請につきましては、これまでも、福祉事務所においては相談者の申請する権利を尊重するとともに、申請受理後は、速やかに対処するよう担当課長会議や事務監査の場などにおいて周知徹底を図ってきたところです。
 今後とも、機会をとらえ、法令に則した迅速な対応について指導してまいる考えであります。
 次に、介護保険財政安定化基金につきましては、市町村における介護保険財政の安定化を目的とし、保険料未納や予想を上回る給付費の伸びによる財政不足が生じた場合に貸し付け等を行うため、法により規定されているものであり、目的外の支出は認められておりません。
 次に、子どもの医療費無料化につきましては、就学前まで助成する制度を設けておりますが、対象年齢を拡大するには十分で継続的な財源措置が必要であると考えております。
 このため、医療保険制度において、給付割合及び対象年齢の更なる拡充を図るとともに、自己負担については、国が助成を行う制度を創設するよう、引き続き全国知事会等関係機関と連携しながら、国に対し、要望してまいりたいと考えております。

土木部長

 小名浜港東港地区につきましては、経済のグローバル化が進む中、活力ある産業の育成と県内企業の競争力向上を図るため、工業原材料はもとより、外貿コンテナ等の多様な貨物需要に対応した国際物流拠点としての機能強化に向けて、今後とも、国と連携を図りながら、計画的に整備を推進してまいる考えであります。

観光局長

 福島空港につきましては、ビジネス利用や観光の振興など、様々な分野において重要な役割を果たしており、本県にとって必要不可欠なものであると認識しております。
 このため、県内及び隣接県からの利用の更なる増加を図り、就航先等からの誘客にも積極的に取り組むとともに、空港のにぎわいづくりにも努めるなど、一層の利活用の促進に取り組んでまいる考えであります。

5.教育行政について

教育長

 特別支援学校の教室不足解消につきましては、高等部が設置されて以来、入学者数が年々増加してきている知的障がい特別支援学校においては、普通教室の間仕切りなどにより教室不足に対応しておりますが、特に、現校舎が狭隘で引き続き学級増が見込まれる大笹生養護学校については、次年度より増改築工事を行い、教室不足を解消することとしております。
 今後とも、厳しい財政状況を勘案しながら、特別支援学校の教育環境の改善について検討してまいる考えであります。
 次に、中学校及び高等学校におけるスポーツにつきましては、生涯にわたって積極的にスポーツに親しむ習慣や意欲、能力を育成することを目的として実施しております。
 このため、各学校においては、個々の生徒の能力や特性を尊重しながら体育の授業の充実に努めるとともに、スポーツを楽しむ生徒やトップアスリートをめざす生徒等の多様なニーズに応じ、専門的な指導者を招聘するなどして特色ある部活動の展開に努めているものと認識しております。
 なお、双葉地区教育構想は、スポーツなどの分野で世界を舞台に活躍できる人材の育成を目指すものであり、県内の学校スポーツの活性化にも、つながるものと考えております。
 次に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、不登校やいじめなどの問題を抱えている児童生徒に対し、福祉関係機関等が連携して支援にあたる上で、その有効性が明らかになってまいりました。
 来年度も引き続き、様々な連携の在り方について調査研究することとしており、今後、2年間の研究内容を検証し、県教育委員会としてその在り方をさらに検討するとともに、成果をすべての市著村、市町村教育委員会及び関係機関等に情報提供してまいる考えであります。


再質問

 最初に、生環部長にお尋ねいたしたいと思います。東電の取り組み、体質は改善されたということに対して、慎重にというお話しも全体的にはありましたけれども、一番直近の第一原発1号機の圧力上昇というこの事態は、私は非常に重く受け止めなければならないと思うんですね。ここの部分は報道によりますと、タービンバイパス弁を開閉する装置の連結部分がはずれて弁が閉まった状態になったために、原子炉を手動で停止しなければならなかったと。しかもここ連結部は、原発が建設されてから交換をしていないところなんだと報道されています。通常は使わないとはいえ、核反応、核分裂が非常に高まって手動でこれを停止しなければならかったというのは、私はゆゆしき事態だと思うんですね。東電などもあまり重要な事故とは言っていないようですけれども、県としてはこういうこともふまえて重く受け止めて、本当に県民の安全・安心を守るというみなさんの立場からいっても、私は、こういう問題も含めて体質がどうなのかということを検証すべきだと思うんですね。もう一度その点をふまえながら、東電の取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、総務部長にお尋ねいたします。双葉町の財政問題ですけれど、先ほどは様々な助言も行っているというお話でした。助言を行ってもなかなか改善されないと。市町村の財政が大変だとなれば、私は新年度に県の条例改正もあるんですけれども、市町村振興基金という健全化法に照らして一部改正もありますので、泉崎なども大変ですが、そういう市町村には振興基金も使った助成もしておりましたので、その辺も含めて、私は財政支援できると思いますが、あらためて双葉町の財政状況についてのお考えをお聞かせ下さい。
 それから、知事にお尋ねいたします。プルサーマルの問題につきましては自民党の佐藤議員に「慎重に熟慮して」という言葉を重ねてお使いになって、同じ内容でございましたけれども、私はプルサーマル計画という、そのものの持っている今の原発の安全・安心の対処とは、また格段に違う危険性を伴うものだという、こういう認識で取り組まなければならない問題だと思うんですね。県民の安全全体に責任を負うという知事の立場からいえば、プルサーマルという、軽水炉でしかも老朽化して33年も経っている原発でやっていいのかどうか、私はその点でも本当に慎重を期すべきだと思うんですね。その辺も含めて、お考えなのかも含めて、もう一度お尋ねしたいと思います。
それから「構造改革路線」についての御答弁ありましたけれども、私はちょっと認識が違うように思います。改革は必要だった、しかし、セーフティネットが十分じゃないと私は聞こえたんですけれども。この構造改革が、地方自治体まで含め県民にも様々な分野で疲弊をおこしていると、ある面では失敗だったと、そういう声もあるんですね。そこをキチンとおさえないと、これからの県の長期計画も含めて関わってくる問題ですので私のとらえ方はどうなのかな、と思いますので、もう一度、構造改革についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、商工労働部長にお尋ねいたします。スパンション・ジャパンへの補助金見直し、今年は見合わせるということなんですけれども、これ今年だけなのか、来年度はどうするのかということがよく分かりませんが、1回だけですむのかどうかもう一度お尋ねいたします。
 それから就職支援員を国と共同してやるということなんですけれども、何名配置して、これ来年度はどうするのか、という話に続いていくのかよく分かりませんので。2月から途中からやってきたわけなんですけれども、来年度も続けるのかどうかも含めてあらためて人数などもおわかりでしたらお示し下さい。以上です。


答弁

知事

 構造改革については、必要だったという答弁を私はしておりません。
 原子力政策、プルサーマル、これは何回も同じことを繰り返しますけれども、慎重に慎重を期して熟慮しながら対応すべきものと考えております。

総務部長

 市町村振興基金を双葉町に貸せるのかというおただしでございますが、市町村振興基金につきましては、来年度の地方公共団体財政健全化法の全面施行を踏まえまして、その公債費負担の平準化などに関して、貸付対象に加える条例改正について本義会にお諮りしているところでございます。
 双葉町につきましても、貸付対象になりますけれども、実際の貸し付けにつきましては、各市町村からの借り入れ要望を聞いた上で、優先順位の中で判断してまいりたいと考えております。

生活環境部長

 一の1の原子炉の圧力上昇の個別の問題についてのお話がございましたが、個別の事案につきましては、国、県はそれぞれ報告を受け確認をしているところでありまして、それが公表されているということでございます。そのようなものを含めまして、事業者は情報公開の徹底や安全・安心の確保対策をしっかりと実施をしていくことが何よりも重要であると考えております。県としては、今後とも引き続きそのような取り組み状況を注視してまいりたいと考えております。

商工労働部長

 スパンション・ジャパンに対します来年度の補助金の交付につきましてですが、現在、更生手続きをしているところであります。そういうものを注視して、交付要綱に則って対処していきたいと考えているところでございます。
 就職支援員の人数でございますが、18名を配置しております。来年度の対応ですが、非常に厳しい状況であるということを認識しながら、来年度検討してまいりたいと考えているところでございます。


再々質問

 保健福祉部長にお尋ねしたいのですが、介護保険関係ですが、県の介護保険財政安定化基金、これは法律上では今は活用できないことになっているんですけれども、実はこういう経過があるんですね。国会でも国の会計監査でこの基金がたくさん集まりすぎているのではないか、これは本来ならば戻さなくてはならない、利用者に戻さなくてはならないという経過があって、今年度は都道府県でも一時積み立ての中止、止めると、中止するということになったわけなんですけれども、今はそういう制度でしょうが、介護保険からいうと何か整備をすると利用料、保険料にはね返るという仕組みからいうと、こういう基金でも活用しないと保険料の引き下げとかできないと思うんですね。施設の整備もできないと思うんです。この基金をぜひ活用できるように国にも求めていただきたいし、今後も検討していただきたいと思いますが、もう一度お尋ねいたします。
 教育長にお尋ねいたします。特別支援学校の教室不足は承知しているということは、私も分かりましたけれど、しかし、大笹生の養護学校の後どうするのかということをなぜ示せないのでしょうか。教育予算が少ないというだけでは、私はちょっと教育庁の在り方としてどうかと思うんですね。もう少し年次計画を持って計画的にやればその予算は、自ずとついてくると、そのくらい示すべきだと思うんですね。障がい児が本当に悲惨な、または窮々とした状況で教育を受けるというのは、本県の障がい者への支援という点から見ても後退するのではないかと思うんです。もう少しそこを示していただきたいと思います。
 それから、総務部長にお尋ねいたしますけれども、双葉町のことは分かりましたけれど、しかし、振興基金のその目的は財政健全化法に基づいてといいますけれども、私はそういう財政支援をすることも、ある面では双葉町も支援できると思うんですね。必要があればそこはやっていただきたいと思いますが、お尋ねいたします。なぜそんな質問をするのかということを私は意見を述べたいと思いますけれど、この原発・プルサーマルを受け入れるというその背景に、財政問題があると私は思います。そういう財政困難という状況が、プルサーマルを受け入れるということになっているのではないかと私は思いますので、1つは県の支援の方法が非常に大事だと思いますので、お尋ねいたします。
 子どもの医療費、もう一度お尋ねいたします。この無料化年齢は群馬県は今年10月から両方中学卒業までやると、しかも所得制限なしでいろんな制限を設けないでお金を出してやるというんですね。子育て支援というのを重点施策に知事も掲げているのですから、この辺のお金の支出は思い切ってやるべきだと思うんです。その点でももう一度、お考えをお聞かせいただきたいと思います。質問いたします。


答弁

総務部長

 双葉町におきましては、厳しい財政状況を踏まえまして、行財政改革に取り組んでいるということでございますので、様々な面で支援をしていきたいと考えておりますが、振興基金につきましては、これは貸付枠というものがございますのでその市町村の要望もありますので、そういった中で実際に貸し付けるかどうかは、判断してまいりたいというふうに考えております。

保健福祉部長

 介護保険財政安定化基金につきましては、介護保険法に基づきまして市町村に対し交付、あるいは貸し付けを行うため国・県・市町村が3分の1ずつ財源を出しまして県に設置をされているものであります。従いまして、現行法令で使い道が明確に規定をされておりますので、それ以外の使い方がされる場合については、国における法令の改正が必要となってまいります。現在、国において会計検査院の指摘等を受けて検討がされておりますのでその扱いを注視してまいりたいと考えております。
 乳幼児医療費助成につきましては、県においても子育て支援をするために様々な施策を取り組んでおります。そうした中で、現時点においてどういった施策を新たに選択することが最も適当か、こういったニーズを選ぶことにつきまして県の様々な施策、その優先順位をつけながら今後適切に判断していきたいというふうに考えております。

教育長

 特別支援学校における教室不足の解消が私どもに課せられた大きな課題であることは、十分認識をいたしておりますので、あらかじめ計画を示すということについてはなかなか困難がつきまといますが、来年度の予算を検討する中で、十分にその優先順位を確認しながら取り組んでまいりたいと考えております。



日本共産党福島県議団
〒960-8670 福島県福島市杉妻町2番16号 TEL:024-521-7618/FAX:024-523-3256
jcpfskg@jcp-fukushima.gr.jp
Copyright(c)2004 fukushimakengidan All rights reserved.