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2006年2月定例県議会 総括質問と答弁
2006年3月16日 神山悦子
神山悦子県議

 日本共産党の神山悦子です。

 昨年は、県の男女共同参画プランや子育てプランの見直しについて質問しましたが、今回は、新年度の重点施策である「子育て支援策」や、重点施策には位置づけられませんでしたが「障がい者への支援」について質問させていただきたいと思います。

 最初に「子育て支援について」ですが、県内でも矢祭町の出産祝い金をはじめ、子育て支援の取り組みが急速に広がっています。

 そもそも、「少子化」がなぜ急に注目されるようになったのか。いうまでもなく日本の人口減少が顕著になってからですが、政府自身が子育て世代への様々な支援策を怠り、社会全体で支援しようとしてこなかったことが根本原因です。

これを解決する道は、昨年政府が発表した「少子化白書」(05年度版)にもあるように、社会保障の先進国ヨーロッパ、特にスウェーデンやフランスが出生率を回復しましたが、単なる出生率の回復の評価だけなく、家族や子どもの成育に対して社会的に支援する政策を、長い間にわたって行われてきたことをよくみることが大切だと思います。わが県としても積極的に採り入れ、具体化するように提案するものです。

 まず、子育て世代の「経済的負担の軽減策」についてうかがいます。「妊婦健診無料化」を実施するよう市町村への財政支援を求めますがいかがでしょうか。

保健福祉部長

 妊婦健診無料化のための財政支援につきましては、公費負担実施2回分が市町村に地方交付税措置がされており、このほかに県が市町村に財政支援することは困難であると考えております。

神山悦子県議

 もう一つ、「乳幼児医療費助成」についてですが、福島県は全国に先がけてやりましたが、全国ではさらにすすみ、東京では23区のうち18区が小学生以上へ拡大し、さらに10区は入院だけですが中学3年生まで無料にしています。

 県としても、せめて義務教育終了時まで拡大すべきですし、社会保険加入者の窓口無料化も県内で8割をこえており、市町村への助成を求めますがいかがでしょうか。

保健福祉部長

 乳幼児医療費無料化の対象年齢の拡充につきましては、事業の主体である市町村が判断すべきものと考えております。

 また、窓口無料化をする市町村への助成につきましては、考えておりません。

神山悦子県議

 「子育て支援」をするという割には、(どちらも)非常に冷たい答弁ですが、今後秋までに計画されるということですから、ぜひ盛り込んでいただきたいと思います。

 ヨーロッパ諸国では、大学生まで学費を無料にしているようですが、本県としても保育園や幼稚園、高校の授業料などの子育てにかかる教育費を無料にするくらいの思い切った軽減策が必要だと思います。「子育て担当理事」を中心とした組織をつくるなどして、経済的負担軽減を図るような対策を求めますがいかがですか。

保健福祉部長

 経済的負担の軽減につきましては、子どもの多い世帯に対する支援等について、さまざまな視点から本県独自の施策を検討してまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 私は、全体にヨーロッパ型の子育て支援をめざして施策の推進を図っていただきたいと思います。

さらに、「安心して育てられる環境づくり」ですけれども、新年度から児童相談所へ新たに里親コーディネーター等を配置するとしました。私も里親問題はこれまで何回もとりあげてまいりましたけれど、非常勤で配置するというのでは、今の児童相談所体制からみて十分ではないと思いますが、配置する意義についてまずうかがいます。

保健福祉部長

 児童相談所へ里親コーディネーター等を配置する意議は、何らかの理由で子どもを育てることが困難な家庭に対して養育指導や心理的ケア等の支援を行い、それでも養育が困難な場合には里親委託等を行うことによって、子育て支援のセーフティネットの充実を図ることにあります。

神山悦子県議

 もう一つ、「母子家庭等への支援」についてうかがいます。

ここで、須賀川市内に住む30代の中学2年生のお子さんをもつ、シングルマザーの訴えをご紹介します。

 「子どもが2歳半の時、保育園に預けて何社か会社の面接を受けたものの、『お母さんしかいないから、なにかあると休まなくてはならないよね』などといわれて、なかなか仕事が決まりませんでした。けれども親が働いていないと保育園を出されてしまうので、時給650円、5時間のパートにつきました。月7〜8万円の収入で、当時の児童扶養手当を足しても月11万円。夜は親に子どもを預けてコンビニの弁当をつくる会社にアルバイトに行き、深夜1時2時まで働きました。

 ところが、98年に児童扶養手当の所得制限が大幅に引き下げられ、一部支給となったのです。そうなると、医療費助成も受けられなくなります。昼・夜と働き続け、就職活動を続けました。5年間に100社あまりの面接を受け、ようやく子どもが小学2年生になった時、正規雇用での職が決まりました。

 しかし、02年不況のあおり厳しく、賃金カットに。そして、この年、児童扶養手当も大幅な減額となり、それまでの半分以下の1万2,000円になりました。これでどうやって子どもを進学させればよいのでしょう。ずっとパートの友人は、子どもを修学旅行に参加させられませんでした。

 私は、少しでも収入を増やそうと夜の8時9時まで残業して、子どもが寝る前に帰宅するのは週に1、2度。自分の服はすり切れて穴があくまで着ても、子どもは小さくなるのでそうはいかず、それでも洗濯しては着せ、タンスに入るひまがないくらいでした。将来の子どものためにとやっとの思いで貯めたわずかなお金も、生活のために手をつけざるをえなくなっています」

 これは、02年の児童扶養手当削減問題で、国会で参考人として証言された方の内容です。この方は暴力をふるう夫のもとで、生後11ヶ月のお子さんを連れて離婚をせざるを得なかったわけですけれど、しかし、この02年、児童扶養手当が削減され、その代わりに「母子家庭等就業支援事業」と「能力開発、常用雇用への転換支援事業」が創設されました。県はこれを受けて03年「母子家庭等就業支援・自立支援センター」を開設しましたけれども、開設後の利用実態はどうなったでしょうか。また課題についてもおたずねします。

保健福祉部長

 母子家庭等就業・自立支援センターの平成16年度の利用実態は、就業相談は624件、就業支援講習会は16ヶ所で167名の参加となっております。

 依然として母子家庭をめぐる厳しい雇用環境が続いておりますので、今後とも関係機関との連携のもと、自立に向けた支援を行ってまいる考えであります。

神山悦子県議

 母子家庭や父子家庭に対する支援策についてはいかがでしょうか。

保健福祉部長

 母子家庭及び父子家庭へは、医療費を助成する経済的支援や日常生活の支援を実施しており、母子家庭に対しては、児童扶養手当の支給や就労支援として母子家庭自立支援給付金の支給など様々な支援を実施しているところでありますが、今後とも、きめ細やかな支援に努めてまいる考えであります。

神山悦子県議

 先の就業支援センターに相談している方が結構いるのですが、なかなか仕事を紹介してもらえない、これが実態なのです。もっときめ細やかな支援が必要と思いますがいかがですか。 

保健福祉部長

 平成18年度から、母子家庭等就業・自立支援センターに母子家庭の個々の事情を考慮した、就労までのプログラムを策定する職員を配置し、支援の充実を行なってまいります。

神山悦子県議

 さて、子どもが健やかに成長するためには、住環境も大切です。県営住宅への入居は相当競争が厳しいと聞いておりますけれども、応募状況と入居しやすい条件づくりを求めますがいかがでしょうか。

土木部長

 県営住宅の応募状況は、平成17年度の平均倍率が約7倍となっております。小学校就学前の子どものいる世帯、いわゆる子育て世帯の入居状況は、平成18年3月現在、1,971世帯であり、全世帯の約26%を占めております。

 現在、18歳未満の子どもが3人以上いる世帯については、優先入居を実施しており、これに加え、本年2月から子育て世帯の入居収入基準を緩和したところであり、入居機会の拡大を図ってまいる考えであります。

神山悦子県議

 2月からの入居の拡大はいいのですけれども、子どもを育てているという条件なのですがなぜか小学校入学前までなのですね。子育て世帯を考えるなら、もう少し年齢拡大するように、県独自でも条件緩和くらいはしてはどうかと思いますがいかかですか。

土木部長

 「優先入居制度」に該当する特定の世帯として、多子世帯、現に18歳未満の親族を3人以上扶養している家族とか、また、父子世帯を優先入居制度に該当させております。

神山悦子県議

 3つ目に、「医療面の支援」についてうかがいます。

県内の医師不足対策は、すでに長谷部議員も本会議で質問致しましたが、県立大野病院における医療事故によって、産婦人科の医師不足がさらに深刻になるだろうと思います。そればかりか小児科医も足りない、南会津病院では整形外科もいなくなるという事態もでています。

 ここでは、県として二次医療圏ごと、今の7つの医療圏ごとに、産婦人科医、小児科医の配置体制どうするのか、改めて副知事の見解をうかがいたいと思います。

副知事

 産婦人科等の配置体制につきましては、これまで、各医療圏ごとに周産期医療システムの構築とともに、小児科救急医療体制の整備をすすめてきたわけですけれど。課題がないわけではありませんので、若干申し上げますと、周産期医療システムで申し上げれば、NICUベッド。福島県は赤ちゃんが18,000人強くらい生まれるそうです。そのベッドの基準でいいますと赤ちゃん1,000人に対して2床あればいいとこうなっています。単純にたすと37床でいいのですが、実際福島県は62床あるのです。そうしますと、形の上では十分だとなるのですが、実はそうではなくて、特に相双といわきが非常に不足している、こういう地域的な偏在があるというのは事実です。また、医師の配置等もありまして、必ずしも十分な体制ではないというふうに認識をしているところです。

特に、最近はそれにとどまらず、産婦人科、小児科の話がありましたけれど、医師全体が不足しておりまして。さらに、今まで医師が不足しているというと「過疎」といわれていたのですが、いわゆる「地方の都市部」も深刻な医師不足になっていると、これが実は非常に大きな近時の問題になっています。福島市内しかり、どこもそうですが、地方の都市部の医師不足は大きな問題になっております。

では、これをどういうふうに解消していくかということになるのですが、全体として福島県に定着してもらえる医師を増やしていくということが大切なので、1つは、福島県は県立医大がありますので医大の定員の問題。これも知事が一生懸命やっていただいておりますがなかなか国が頑として動かない。われわれは、どうしても自由に定員を決められない。こういう何とも言いようのないもどかしさがあるのですけれども、こういった問題とかありまして、これは国にしっかりと受け止めてもらわなければならないと考えております。

 それとともに、きのうも教育論議ということで知事からいろいろと議論がなされたと思うのですが、せっかく医大に入っても残念ながら県外の入学者が多いのです。県内の受験生はどうかと教育関係者に聞きますと、だいたい県内の受験生は受験競争に負けてしまうという状況がありまして、まだまだ学力をしっかりと上げていく努力もしなければならない。これはなかなか難しいのですが、これは教育問題ですが、とにかくそういった医大の問題も解決しなければならない。 

また、研修医制度の問題がでていますが、研修医が福島県内になるべく定着するようなシステムを考えていかなければならない。さらには、医師が一般的に定着しやすいようなシステムも考えていかなければならない、というようなある程度時間のかかる問題もある。

当面の問題、明日の問題をどうするかということですけれども、これについては18年度の予算でお願いしておりますが、医師派遣の事業で20名、医大の定数を増やしまして、これを活用して、特に県内の都市部の医療機関に医師を配置するようなシステムを構築しようと。これはできれば年度内に会議を開き、医大の先生を調整官に任命しておりますので、医大と連携とりながら具体的な支援先を少なくとも年度内に決められるように努力していきたいと思っております。

 もう1つは、医師そのものが不足している状況ですから、地域として何らかの形で、相互に連絡調整・派遣できるような、そういうシステムを考えていくべきではないかと。公的病院、民間病院、それぞれ役割分担・連携の下に、相互に医師を派遣できるような「連絡調整システム」というようなものを構築していくことを考えております。そのためには各地域、それぞれに話し合いをして合意形成を図らなければならない、という大きな課題があるのですが、医師全体としての調整システムを考えていく。ただ、この話は総論賛成・各論反対なのです。集約される方から見ると、とんでもない話になるわけですよ。

もう1つ大切なのは、責任の問題、費用の問題、これをどうするかという問題があるので、これらをきちっとクリアしなければならないわけで。これについては県が間に立って関係者の調整をして、なるべく早く合意形成して、できるところからシステムを導入していきたいと考えております。

 いずれに致しましても、医療水準の確保というのは大切な課題でありますので、積極的にとりくんでいきたいと考えております。

神山悦子県議

 医師の定着の問題もありましたけれども、女性医師も、希望者もいらっしゃるし。でも、そこがなかなか働く環境まで含めて「ない」ので、私はここ(女性医師)の活用も必要かと思っているのです。1名になる産婦人科の医師を集約するという問題をどう解決するのかということと、女性医師の問題といろいろ合わせて、あらためて県が音頭をとる必要があると思っていますので、この点についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

副知事

 当面の産婦人科の問題も、今お話ししましたシステムの中でできるだけ対応していけるようにしてまいりたいと考えております。

 それから女性医師の問題ですけれども、これもわれわれから見ると考えさせられてしまうのですが、結婚されて医師をやめてしまうという方もいらっしゃるそうなのです。もったいないというと言い過ぎかもしれませんが、そういった女性医師が働いていただけるような環境をつくっていかなければならないわけでして、我々としてももう一つ汗をかいて努力していきたいと考えております。

神山悦子県議

 産婦人科・小児科・麻酔科医師が不足しているといいますが、その確保について県が一元的に責任をもっていると思いますが、県と県立医大としては養成・確保をどうされるのか、それぞれお聞きしたいと思います。

保健福祉部長

 産婦人科医等の確保につきましては、県のホームページや医療情報誌を通しての医師募集、医学部の学生に対する就学資金の貸与などの諸施策を引き続き実施するとともに、医療機関の機能連携と機能分化による効率的な医療資源の活用などにより、医師の確保に努めてまいりたいと考えております。

医科大学長

 本学におきましては、産婦人科医、小児科医、麻酔科医を始めとする専門医を教育・育成することが本学の果たすべき重要な使命であると認識しております。

 このため、全国に先駆け、本年度から専門医養成を目的として後期研修制度をスタートさせ、各専門分野のコースを設けるとともに本学と協力病院が共同で研修を行うことにより、専門医として幅広い豊富な経験を積むことができるよう努めているところであります。

 今後とも研修制度の充実などに努め、地域で必要とされる専門医の教育・育成に一層力を尽くしてまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 医大学長にお尋ねしたいのですが、専門医を育てたり地域に果たす役割は大きいと思いますが、女性医師の希望者・学生の方は、多くなっていると思いますがどれくらいの割合になっているのかお聞かせ下さい。これも今後の課題だと思いますが。現状などわかりましたらお知らせ下さい。

医科大学長

 女子学生の1学年に占める割合は、だいたい40%になっております。

神山悦子県議

 私はそこにも希望をつなぎたいと思います。

 さて、県立子ども病院の設置の必要性については県としてどう考えますでしょうか。

保健福祉部長

 県立子ども病院の必要性につきましては、小児医療の実態などを踏まえながら、引き続き、研究してまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 昨年も「研究する」という同じ答弁でしたが、この間具体的にどのように研究されてきたのでしょうか、うかがいたいと思います。

保健福祉部長

 各県の設置状況、設置までの検討経過などの情報を把握し、内部的に研究を進めてまいりました。

 今後は小児医療確保検討会などを通して、小児医療の課題や今後のとりくみなどを研究してまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 さらに、「救急医療体制」についてうかがいます。これをどのように充実させていくのか。また、ドクターヘリの活用についてどのようにするのかうかがいます。

保健福祉部長

 救急医療体制につきましては、初期救急から第3次救急医療までの体系的な整備を進めるとともに、県立医科大学医学部附属病院に整備する救命救急センターにドクターヘリを配置することとしております。

 今後は、早期治療や地域格差の是正に効果が大きいとされるドクターヘリの活用方策を、本県の実情を踏まえて検討し、救急医療体制の充実に役立ててまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 ドクターヘリについては、私本当に評価しております。しかし、いまある防災ヘリを使おうと消防署に連絡したのですが、それはその時の判断なのかもしれませんが、お医者さんから頼んだのに断られたのです。県外まででしたが。結局、民間の救急車を使ったら、21万円もかかったと。これは、今後の課題だと思います。

民間の医師から通報があったら使えるようにするという方策も今後必要かと思いますので、このドクターヘリの活用について、どのように検討されるのか改めてお伺いします。

保健福祉部長

 ドクターヘリの運行の方法につきましては、所期の目標を達成できるよう、今後、検討委員会において十分協議を致したいと思っております。

神山悦子県議

 次に、「障がい者支援」についてうかがいます。

 昨年10月31日、特別国会で障がい者自立支援法が成立しましたけれども、問題なのは、定率1割負担の導入です。これは全額自己負担になるわけですが、いまこの負担が大変で、通所施設を退所せざるを得ないという障がい者もでておりますけれど、私は、この悲痛な叫びに応えて県独自の支援策も必要だと思っています。

 まず、最初にうかがいたいのは、定率1割の利用料負担についての支援策、減免対象の割合はどのくらいになるのかお示し下さい。

保健福祉部長

 障がい者自立支援法によるサービス利用の1割負担につきましては、所得段階に応じた月額負担上限や施設等利用者に対する個別減免など、各種減免制度が設けられております。

 これらの制度対象者については市町村が認定中であり、その割合等は確定しておりませんが、障がい基礎年金のみを収入とされている場合には、低所得者として減免対象となる方が多いと認識しております。

神山悦子県議

 私は、ほとんどに負担増になる方が多いと思いますが、いずれ、4月以降になればハッキリすると思います。あたたかい県の支援を求めたいと思います。

 もう1つは、医療費の問題ですね。自立支援医療費の負担上限月額の引き下げなど、県独自の上乗せも必要かと思いますがいかがでしょうか。

保健福祉部長

 障がい者自立支援法による障がい福祉サービスの利用料及び自立支援医療費負担の軽減につきましては、各種減免制度や特例制度がすでに設けられておりますことから、県独自の軽減制度は考えておりません。

神山悦子県議

 障がい者のもう1つの課題は、医療費の支払いが窓口で無料でないという点ですね。これを市町村だけにまかせていいのかと私は思うのですけれど、これについてはどんなふうにお考えでしょうか。

保健福祉部長

 市町村の負担軽減等の情報を確認したいと思います。

神山悦子県議

 まだ、やっているところは少ないわけで、いわき市が始めているぐらいだと思いますが、県も市町村と一緒にやるべきだと思います。

 さて、昨年10月から県が自己負担を求めた重度心身障がい者の入院食事代の負担ですが、これを障がい者への支援として復活すべきと思いますがいかがですか。

保健福祉部長

 入院時食事療養費の自己負担につきましては、食材費という実費は、入院の場合も在宅の場合も等しく負担すべきという、公平化の観点から導入したものであり、軽減措置は考えておりません。

神山悦子県議

 これは、部長の心底からのお答えなのかどうか。なぜかといいますと、そんな公平観なんてあるわけないですよ。障がい者が施設に入っているときは在宅とは違うのですから。治療の一環でもあるのですから。私は保健福祉部長としては、そこはもう少し認識すべきだと思うのですけれど。あらためてうかがいます。

保健福祉部長

 施設入所時の居住費、食費の問題につきまして、介護保険におきましても入所者の負担を求めております。一般の入院につきましても食費は、患者の一部負担がございます。そのような状況を考えますと、先ほど申し上げましたように、このケースの軽減は考えておりません。

神山悦子県議

 私は介護保険に障がい者の支援費制度もだんだん合わせていく、医療もだんだんそうなっていく、そこが先ほどの理由の根拠になっていると思うのですが。悪い方に合わせるのではなくて、もっと充実させるという観点で、私は県の支援策を求めていきたいと思います。

 さて、障がい者「地域生活移行」についてですが、最初に、「聴覚障がい者情報提供施設」の具体化。これは99年6月の県議会で全会一致で採択されたものですけれども、これはいつ具体化しようとしているのか、あらためてうかがいます。

保健福祉部長

 聴覚障がい者の情報提供施設につきましては、今年度から聴覚障がい者団体との間で、そのニーズや情報提供あり方等に関する意見交換を開始したところであり、今後、その結果等を踏まえ検討してまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 障がい者の地域生活移行の受け皿となる基盤整備は、なかなか進まない現状ですが、急いで整備を図るべきだと思うのです。聴覚障がい者情報提供施設などあらためて基盤整備について知事はどう考えているのかうかがいます。

知事

 障がい者の地域生活移行につきましては、かつての大規模施設を始めとする入所施設中心の政策は、障がい者への各種施策が、量的にも質的にも十分でなかった時代において、完備された設備と体系的な治療・訓練により、社会復帰と終生保護を図ろうとしたものであります。

 しかしながら、人権の世紀とも言われる21世紀を迎えた今日、入所施設から地域生活への移行は、新しい時代の当然の流れと受け止めており、これまでも、全国で初めて、平成7年から自立生活センターに対する運営費の助成や小規模作業所への支援の充実、さらには、グループホームの設備整備費への補助などを行ってきたところであります。

 今後は、障がい者の人権を尊重し、障がいのある人もない人もあたり前に地域で生活できる支援体制の充実を図るため、新たに県独自の施設整備補助事業の制度を創設することとしたところであり、さらなる施設整備の促進に努めてまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 介護保険制度が始まったときもそうでしたけれど、なかなか施設整備というのが進みません。これは財政的な裏付けがなければ実際には無理です。新年度に少しはこういう面で整備したとはいえ、今後もかなり必要だと思いますが。私はやっぱり、ムダな事業を削ればすぐに財源は浮くと思うのです。人工島やトラハイ、首都機能移転などをやってまいりましたけれども、思い切ってこういうところの予算を削って、障がい者や他の福祉政策にも生かすべきだと思いますけれども。知事は財政の件についてはいかがでしょうか。

保健福祉部長

 障害者施設の整備につきましては、今年度知的障がい者のディサービスセンターの整備を県単独で緊急的に支援したところでありますが、来年度からは新たに県独自の施設整備補助事業の制度を創設し、原則として既存施設を活用した改修による施設整備に対し、2分の1の補助を行うこととしたところであります。今後は、この事業の計画的な活用により、障がい者の地域生活を支援する施設の整備を積極的に促進してまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 もう一度知事におうかがいしたいのですけれど、基盤整備の状況がまだまだと私は認識しているのですが、知事はこれをどう受け止め、さらにもっとどうしようとしているのか。私は地域に移すというのは理念的には非常に大切だし、あたり前だと思うのですけれど、その受け皿がないというのが私の実感なのですが、知事いかがでしょうか。

保健福祉部長

 地域生活移行の受け皿はまだまだ十分ではないというのは認識しておりますので、「ふれあい福祉資金」の一部を取り崩しさせていただきまして、向こう5年間にわたりまして集中的に受け皿整備に努力していきたいと考えております。

神山悦子県議

 知事は、私の述べたことを聞いてぜひ今後に生かしていただきたいと思います。お答えにはなりませんでしたが。

 さて、「小規模作業所」の運営費助成が廃止されると聞いておりますが、私は継続すべきだと思います。小規模作業所、共同作業所に対する支援、これはいかがですか。

保健福祉部長

 小規模作業所につきましては、引き続き運営費の助成を行ってまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 私は、今年度は大丈夫かなとは思いますが、問題は来年度以降ですよ。小規模作業所は地域で果たしている役割は非常に大きいわけですから、今後を見通した上での支援という点についてはいかがですか。

保健福祉部長

 先ほども答弁いたしましたように今後も引き続き運営費の助成を行ってまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 最後に、ホームヘルパーなどの地域生活移行事業の拡充や地域生活者をサポートする人材育成についてうかがいます。

保健福祉部長

 障がい者の地域生活を支援する人材の育成につきましては、従来から実施している障がい者ケアマネジメント研修や新たに実施するサービス管理責任者研修などにより、相談支援を始めとする障がい福祉サービスに従事する人材の育成に努めてまいりたいと考えております。

神山悦子県議

 今までいろいろご答弁いただきましたが、障がい者の問題でも子育ての問題でもこれから計画づくりが始まると思いますので、ぜひあたたかい計画づくりをめざしていただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わります。

以上



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