HOME BACK ご意見・ご要望をお寄せ下さい
TOPICS
議員団紹介
政策・提案・見解
県議会報告
県政の資料
議員かけある記

2005年9月県議会反対討論
2005年10月13日
神山 悦子

 日本共産党の神山悦子です。
 日本共産党県議団を代表して議案に対する意見を述べさせていただきます。
 まず、今議会に提案された「商業まちづくり条例」についてですが、これは、99年伊達町へ東日本最大級の大型店出店問題などに端を発した県内各地からの規制を求める声や衰退する一方の中心市街地の商店街、また安心してくらせるまちづくりを望んでいた県民などから長年待たれていたものでした。条例案で示されなかった店舗面積については、商労文教常任委員会の審議の中で、規則で6千u以上を対象とすることが明言されましたが、これはまちづくり検討委員会からも提案されていた「3千〜5千u」にほぼ近いものであり、私たちの主張ともかみ合うもので、大いに評価できるものです。今後は、全国初となる条例を生かし、市町村とも協議しながら深夜営業問題や身勝手な閉店・撤退をさせないなどの地域貢献活動を求めるなど、審議会の委員や審議内容などを広く県民と共有し、県民、地域住民、市町村の意見を反映させ、実効ある条例となるよう望むものです。

 次に、提案された補正予算についてですが、アスベスト対策費や災害対策関連予算、マンモグラフィ機器整備費用の補助を新たに7台分計上するなど、県民の命を大切にし、県民の安全・安心につながる事業を積極的に行うために、市町村等へ支援することなどは評価できます。しかし小泉内閣が、総選挙後真っ先に明らかにしたのは、サラリーマン増税など庶民大増税でした。小泉内閣の下ですでに大企業には年間2兆2千億円もの減税をしながら、国民には定率減税・配偶者特別控除・老年者控除など各種控除の縮小・廃止と消費税免税点の引き下げなど合計3兆5千億円もの大増税を強いています。小泉政権は、「小さな政府」と称して国が本来負担しなければならない年金や介護などの社会保障費負担や国民のくらしの関わる予算を次々と削減しようとしており、これは国の責任を放棄するものです。そしてそのツケを国民と地方自治体へまわそうとしています。小泉内閣になって、年度途中で突然保育所建設補助金をカットする動きや、放課後児童対策事業への補助金を大幅にカットするなどについては、県や市町村の計画そのものに大きな影響を及ぼすような予算配分も問題です。これは、結局県民サービスの後退につながるとんでもないやり方ではないでしょうか。県は、国民に痛みばかりおしつけるような国の動きをつかんでいるはずであり、9月補正予算の編成過程においては、必要もない無駄な事業に思い切ってメスを入れ、県民のくらし応援のために予算をどう使うかが予算編成にあたっての最大の眼目でした。
 提案された9月補正予算をみると、県の財政がこれだけ厳しいにもかかわらず、小名浜人工島づくりに当初予算よりも多い3億6,000万円を計上しました。当初予算と合わせると6億6千万円です。今後県民への負担増で県民生活が一層困難になろうとしているときに、あいも変わらず県民には直接役に立たず、雇用拡大にもならない事業を続け、県の借金を増やし続けているのです。この予算を県民生活応援のために回すなら、他県に比べて遅れている教育・福祉・医療分野の前進にもつながり、ひいては雇用拡大にもつながることは、いまさらいうまでもないことです。
 また、トラハイについても同様のことがいえます。今回国庫内示で新たに3億円増額となり、当初と合わせると47億円もの税金をつぎ込む予定です。これは、県の今年度の道路関係予算615億円の7.6%を占めるものです。その一方で、今議会の本会議でも県道の整備促進を求める質問が5本も出されているように、生活道路の整備は依然として後回しにされているではありませんか。国は「構造改革」をいいながら、道路特定財源を温存し、第二東名高速道建設などムダな高速道路をつくり続けていますが、県としては、こうしたゆがんだ道路予算の使い方を改め、生活道路を優先すべきです。
 さらに、福島空港の利用促進と称して航空会社へ軽減策を図るなどの便宜を図っています。定期便運行事業として空港施設使用料への補助や、夜間駐機事業として宿泊料や交通費への補助を行い、当初・9月補正予算と合わせると4,600万円を助成します。本来なら使用料収入として県へ入るべきお金です。県民の税金をこれだけつぎ込んでもなお、路線廃止は続いており、来年4月には福岡便が廃止となります。利用者数がさらに落ち込むことになるのは必至です。すでに採算ベース60万人を毎年10万人も下回る状態が4年間も続いており、昨年度は50万2千人、極めて深刻な経営状態といえます。県は9月に利活用促進プロジェクトチームを立ち上げたようですが、もはやこうした延命策を図るより、福島空港の存廃問題について真剣に議論すべき時期にきていることを指摘するものです。

 次に、議案第13号と14号は、県の社会福祉施設の太陽の国と県老人福祉施設飯坂ホームの施設入所者に対し、今年6月の国会で通された介護保険法改悪に伴う、いわゆるホテルコストと称して利用者に食事代と居住費を全額負担させるものですが、利用者にとっては大変な負担増となるものです。市町村では、介護保険の利用料へ独自に負担軽減しているところもあるのに、県は法改正に基づくものだとして、何ら痛みを感じないで条例改正をすすめるだけでは、あまりにも冷たいといわなければなりません。県は国の単なる下請け機関ではないのです。地方分権を推進しているわが県として、県民へ心を寄せた独自の軽減策を図っていくべきと思います。
 また、負担を求めるという点では議案第17号と第29号も同様です。第17号は、教育委員会が所管しているこれまでの「少年自然の家」を財団法人から指定管理者制度へ移行し、その際利用年齢層を広げると同時に、新たに利用料金を徴収するというものです。私たちは、公的な教育・福祉施設についてはそもそも経営優先が求められる指定管理者制度導入には反対であり、さらに新たな利用料金を設けるというのも制度導入に合わせた改悪というものです。県は利用料収入見込みを昨年利用ベースで年間約1,600万円と見込んでいるようですが、小名浜東港分のわずか4%、小名浜東港への税金投入をやめればすぐにでも生み出せるものです。学校5日制や生涯学習の大切さ、自然とのふれあいが叫ばれている昨今の動きに逆行しているのではないでしょうか。
 議案第29号は、県の建設事業に対し市町村に負担を求めようとするものですが、法的にみても市町村負担は義務ではありません。県は国に負担金の廃止を求めている立場からしても、財政が厳しい市町村に対し負担を求めることはやめるべきです。

 最後に、第32号の工事契約の案件ですが、契約の相手方が2社とも1年前の昨年10月半ばに公正取引委員会から独禁法違反で排除勧告を受けた業者です。これは、国と県発注の「プレストレスト・コンクリート(PC)」工法による橋梁建設工事にかかわり談合を繰り返していたとされたものです。全国の地方自治体では本県だけでした。疑いをもたれている建設業者に対する県の姿勢があらためて問われます。いまだ疑いが晴れていないのであり、これらの業者への発注は中止すべきです。県の公共事業にかかわっては、その後も鋼鉄製の橋梁工事の談合問題でも県が発注している業者が関わっていたなど、何度も繰り返されおり、県の反省は見えてきません。県の財政運営からみても、県民の税金の無駄遣いをなくすという立場からも発注業者の選定に当たっては、透明性・公正性をあらためて確保することを厳しく指摘するものです。

 以上の理由から、議案第1号、第13号、14号、17号、29号、32号に反対を表明し討論と致します。


日本共産党福島県議団
〒960-8670 福島県福島市杉妻町2番16号 TEL:024-521-7618/FAX:024-523-3256
jcpfskg@jcp-fukushima.gr.jp
Copyright(c)2004 fukushimakengidan All rights reserved.