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県議選挙区特例適用条例案への反対討論
2005年2月25日
神山 悦子
 議員提出議案第1号「市町村の合併に伴う福島県議会議員の選挙区の特例に関する条例」について、日本共産党県議団を代表して意見を申し述べます。
 地方自治体は、執行機関である首長と議決機関である議会という、ともに県民から選ばれた二つの機関から構成されています。首長と議会がそれぞれに独自の権限と役割を持ち、相互にチェック・アンド・バランスの関係を保ちつつ、どちらも県民から選ばれた地方自治機関として、ともに住民福祉の向上という共通の大目的があり、その結果については、双方ともに直接住民に責任を負う制度となっています。
 憲法第92条では、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」と地方自治の基本原則が定められ、憲法第93条第2項においては、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律で定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接選挙する」と明記しています。憲法の定める地方自治の本旨からみれば、地方自治体は、国から独立した地方公共団体がその判断と責任で行う「団体自治」と、その事務の処理や事業の実施を住民の意思に基づいて行う「住民自治」との二つの要素がともに満たされることが必要であるとされています。その住民自治の実現は、地方議員の住民による直接選挙と、議員の議会における住民意思の反映によってこそ保障されるものです。
 したがって、選挙区のあり方については、民意の反映という基本からしても、県民1人1人が平等に政治参画する権利を保障するためには、極力1人区を解消し、1票の格差は2倍未満などの抜本的な改革が必要です。本県の県土づくりの結果として、中山間地の過疎の進行はとどまるところを知らず、地域間格差は深刻さを増していますが、このような現状から議員定数と選挙区割りを人口比例のみで行えば、市部と郡部の格差はますます拡大し、1票の格差をますます広げることになります。今年は、10月に行われる国勢調査の結果を受けて、これら選挙区のあり方を見直す検討は避けて通れません。
 このような抜本的な検討が迫られているにもかかわらず、提案されている特例に関する条例案の第二条では、合併特例法の選挙区特例を適用し、2007年の次期県議選を現行選挙区で行うとしています。
 しかし、この条例案は、三つの点で大きな問題を含んでいます。
 その第一は、合併推進との矛盾です。議案の提案理由の説明で「合併の状況が極めて流動的である現状において、選挙区の問題が合併に影響を及ぼさないよう配慮する」とし「公選法の適用はむしろ合併の都度有権者に混乱をきたす」などとしていますが、むしろその逆で、合併後の選挙区に現行選挙区での選挙区割りを持ち込むことが混乱を引き起こすのではありませんか。
 また、合併については、「全国的な合併状況は、市町村の数が3分の2以下の2千を下回る見込みであり、本県においても一層合併を促進しなければなりません」などと合併をさらにあおっていますが、そもそも小泉内閣が進めている市町村合併は、国の財政危機から出発したもので、そのツケを国民や地方自治体に回そうとするのが本質的なねらいです。本来合併する、しないは、住民の意思に基づき自ら決定するものであり、国からおしつけたり強制すべきものでありません。むしろ国は、基礎的自治体を「住民自治の基礎単位」として位置づけ、そこへ権限や税源の移譲を図り、ナショナルミニマムの保障、都市と農村の連帯、小さくても維持できるような財政調整制度の改革を進めて真の分権型社会をつくれるような環境を整えるべきなのです。いずれにしてもこうした立場からみれば公職選挙法の規定を適用するのがスジというものであり、次期県議選を現行選挙区のまま行うというのは、県民には理解しがたい内容です。
 第二に、この条例案に「見直し」条項を設けていますが、本年10月の国勢調査の結果等を勘案し、議員の選挙区や定数については、当然見直ししなければならないことです。わざわざこの条例案に当たり前の見直し条項を盛り込むこと自体、条例案の矛盾を自ら告白しているようなものです。しかも、合併特例法の選挙区特例を適用とするのは、市町村合併にともなう新しい選挙区の区割り問題を、2007年の次期県議選後に先送りするものであり、結局、県民から『議員自らの身分保身のためではないか』とのそしりを受けるのは免れないでしょう。
 第三に、議員の身分に関する選挙区のあり方を決めるのは、本来全会一致を基本とすべきです。「市町村合併に伴う選挙区検討委員会」は、昨年の6月定例県議会で設置され、市町村合併に伴う県議選挙区の変更について、会派間の意見交換が行われ調整が図られてきました。しかし、昨年12月14日の第6回検討会では、意見の一致をみないまま議論を途中で打ち切り採決にまで持ち込んだ上、多数意見を検討会の結論として議長に答申しました。議員の身分にかかわる問題を、多数会派が数を頼みに押し切ろうとするのは、まさに数の横暴といわざるを得ません。
 このように、自民党・無所属会派から提案されたこの条例案は、議会内の多数を頼み住民の意思はそっちのけで、自らの身分保身を目的とする説明不可能な矛盾に満ちたものです。
 福島県議会は、全国初の議会として130年近くに及ぶ歴史と伝統を持っています。その歴史と伝統をさらに発展させるには、何よりも県民の意思を正確に反映させる場として、その役割を果たしていくことが求められています。その立場からも、ゆがんだ民意の反映とならざるを得ない今回の条例案を否とし、次期県議選は、公職選挙法の規定を適用するよう強く訴えまして討論と致します。


日本共産党福島県議団
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