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2004年12月定例県議会を終えて
2004年12月17日
日本共産党福島県議団
団 長  神山 悦子
長谷部 淳
 はじめに

 10月23日に発生した新潟県中越地震は、震度7を記録する激烈な破壊力とその後の余震で、避難を強いられた方々が一時は10万人を超す深刻な事態となった。隣県である福島県からも数多くの支援ボランティアの派遣をはじめ、支援物資、救援募金などの取り組みが行われた。
 一方、自衛隊が派遣されているイラクでは、来年1月の選挙実施を強行しようと米軍がファルージャへの無差別殺戮を展開し、全土が戦争状態となっている。そのイラクへ陸上自衛隊第六師団の福島、郡山駐屯地から第4次派遣隊としてそれぞれ60人、50人の計110人の自衛隊員が13日に派兵されることになった。党県議団は11月5日、憲法上からも、これまでの知事の政治姿勢からみても県民の願いと逆行するとして、県知事に対し「陸上自衛隊のイラク派兵に反対する要請」を行なった。
 11月11日には知事に対し、「来年度の予算編成に関する要望書(第一次)」と「12月定例県議会に関する要望書」を提出し申し入れた。来年度予算編成については、ムダな大型公共事業をやめて医療・福祉・教育を充実すること、水道事業や国保事業への財政的援助など市町村支援、「三位一体改革」による地方財政破壊をやめさせ、30人学級の全学年実施など地方自治・県民のくらし・平和を守ること、原発の危険から県民を守ることなど4分野27項目を要望した。12月議会に向けては、地震対策、「三位一体改革」、入札制度の改善、原発・エネルギー問題、福祉と医療の充実、雇用・中小企業、農家支援策、イラクからの自衛隊撤退を求めることを要望した。また、この間民主団体や市町村議員の対県交渉も相次いで取り組まれた。
 県は、この間財政難を理由にした3大切りすての具体化に着手し始めた。県立病院改革審議会では、会津総合と喜多方病院の統廃合、猪苗代病院、リハビリテーション飯坂温泉病院、本宮診療所、三春病院を廃止する方向が明らかになり、猪苗代町では9月町議会で県と県議会への意見書を採択、12月に飯坂町内会からは12人の町内会長連名による廃止反対の陳情書が県と県議会に提出されている。

 12月県議会は、2日から17日までの16日間の会期で行われた。提案された12月補正予算の主な内容は、歳入については、不況の影響によって減収が見込まれるとして、個人県民税と自動車税を15億円の減額補正。歳出については、台風22、23号と新潟県中越地震の災害関連事業費2億1,700万円を計上し、全体として約2億円の減額補正予算となった。議案は予算関係6件、県個人情報保護条例の改正案など条例関係17件、市町村合併に伴う市町村の廃置分合関連4件、その他12件の合計39件であった。
 長谷部県議が12月10日一般質問を行い、地震防災、介護保険、地域リハビリテーション、入札制度、原発問題など24項目について県の姿勢を質した。県の災害対策にかかわる質問で、学校の耐震化の遅れ(78.4%が未実施)を指摘し早急に改善するよう求めたが、相変わらず市町村立学校への支援はしない態度であった。長谷部議員が特別委員会で、聴覚障がい者団体からその具体化が再三要望されていた「情報提供施設」(2000年2月県議会で請願採択)について検討することを明言させたことは成果である。
 ところで、知事は来年度の介護保険の見直しにかかわって、自民党の代表質問に答え「家族が過度に保険サービスに依存する問題」という認識を示している。政府の来年度からの介護保険制度見直しによる制度後退につながる発言である。
 また、郡山市のアイシーエス学院のホームヘルパー養成講座の不正問題が発覚し、県は指定を取り消した。

1、民主団体と党市町村議員による県交渉あいつぐ

◇10月25日、トンネル工事などに従事したじん肺被害者が、酸素ボンベの電気代補助制度の創設と、じん肺被害をくりかえさないよう公共事業の発注者である県が、工事現場で労働者の健康を守れるよう業者への指導監督を求めて県交渉を行った。

◇11月11日、福島市議団とともに、イオングループが福島市大森地内に24時間営業の「マックスバリュ」を出店する計画を進めていることについて、県として住民の意見を聴取する場を設けるよう要望書を提出し交渉した。

◇11月25日、政府各省庁と交渉。党福島県委員会と地方議員団が、高橋千鶴子衆院議員、紙智子参議院議員とともに7省庁に46項目について、長谷部淳県議をはじめ12人の党地方議員などが参加した。
 JR磐越東線、水郡線での除草剤散布による農作物被害に対し「除草剤を使用しないことも含め再発防止策へ勉強するよう伝える」との回答。須賀川市内の水害常襲地域の河川未整備区間の治水対策では、前向きの回答。漁場の環境を守るための事業への援助については「全国30地域で行っており(福島県内は該当なし)、申請があれば補助ができる」との回答を得た。

◇11月29日、県商連婦人部が県の男女平等推進条例の進捗状況と業者婦人の地位向上について懇談を行った。この中で、条例には業者婦人の記述はあっても、数値目標がなかったことが判明し、来年のプランの見直しで盛りこむよう要望した。

◇11月30日、「みんなで新しい県政をつくる会」の県交渉には神山県議も参加し、知事選後初の交渉を行った。要求事項は7分野39項目。重度心身障がい者の医療費自己負担を導入しないこと、社会保険での乳幼児医療費窓口無料化、30人学級の拡大、県立高校授業料3カ月滞納で出席停止マニュアルの撤回、県独自の雇用対策の充実、まちづくり条例の早期制定、福島県産の知名度を上げるための米袋作製費用への助成、第一世代原発の廃炉などを求めた。

◇12月1日、党白河市議団が県企業局県と交渉した。県が西郷村に開発した白河複合拠点整備事業の「工業の森・新白河」の工業団地は、協定に基づき白河市が工業用水道事業を負担している。しかし、企業が2社しか契約しておらず、しかも操業を開始していないことから収益があがらず、市の持ち出し分が年々増大し財政を圧迫し続けていることから、工業用水道事業会計の負担軽減を県へ要望した。

◇12月7日、教育3千万署名福島県実行委員会は、全学年での30人学級実現など16項目を求めた請願と10万4,868人分の署名を添えて県議会に提出した。今年は、「三位一体改革」の名による義務教育費国庫負担削減や私学助成の削減反対を中心に運動を展開し、昨年より1割増の署名を提出。また、教育庁、総務部私学グループ同席のもと対県交渉も行った。

2、委員会での主な質疑について

◇商労文教常任委員会…神山悦子議員

【商工労働部】

  委員会で11月21日から24日に視察した、県上海事務所について質問が集中。今後の活用については、引き続き検討が必要との認識が、議員と当局の一致した見方となった。

【教育庁】

  • 高校統廃合を安易に行わないことや、義務教育費国庫負担削減によって、本県独自の30人学級を後退させることがないよう求めた。
  • 今回の補正予算で磐梯熱海アイスアリーナの外壁(西面)の雨漏り改修費(1,890万円)が計上されたが、県の体育施設建設のあり方、市町村に対する負担問題などをめぐり質問が集中。来年度郡山市へ移管されることから、特に郡山選出の議員がそろって県への批判を述べた。

【企業局】

  • 議案第6号の電気事業の譲渡にともなう補正予算案が提出された―議案には賛成。昨年度から交渉をしてきたが、4つの水力発電所を約30億円で譲渡することで、今年8月4日東北電力の子会社である東星興行(株)と合意し基本合意書を交わした。05年1月中には本契約を締結、今年度末に譲渡を完了予定。
     もともと電気事業は、第二次オイルショック後の石油代替エネルギーの開発と地域振興を目的に88(S63)年から地方公営企業で行われてきた。当局は、今後の電力自由化で価格競争の激化が予想されることや企業局の見直し問題などを理由に挙げた。全国でも電気事業全部を民間に譲渡するのは初めてとなる。
  • 白河複合拠点「工業の森・新白河」工業団地の企業進出状況と白河市の工業用水負担問題についてただしたが、水質がいいので、飲料水となる利水型の企業誘致に努力するとの答弁にとどまった。

◇企画環境常任委員会…長谷部淳議員

【企画調整部】

  • 核燃サイクル見直しにあたってどう国民的論議を起こすかについて、県のエネルギー政策検討会が「中間とりまとめ」を冊子にしたように、その後の検討内容、国の言い分との比較などを冊子にして、国民的論議に付する材料にしてはと提案したが、当局は自治体の仕事ではなく国の仕事とした。
  • 自民党委員の一人が「首都機能移転事業にエネルギーを費やしてきたノウハウをどう活かすのか、の方向に行くこともあるのではないか」と質したことについて、当局は首都機能移転事業に「ねばり強く取り組んでいく」と繰り返すばかりであった。

【生活環境部】

  • いわき市のバス路線廃止問題について、県の現状認識と対応、現在の補助システムの見直しを国に求めること、県が唱える「共生の論理」で公共交通機関に対する補助システムを考えるべきではないかと質した。当局は、現行システムでの対応という域から一歩も出ないものであった。
  • 原発問題では、美浜原発事故の国の「中間報告」への県の評価を問い、さらに「減肉管理ミス」が起きた原因、類似配管からの類推で点検していない配管があった問題で何ら原因が明らかにされていないことから、県は東電にはどう対応しているのか、東電が「している」ということの担保はあるかをただした。また、美浜原発事故「中間報告」が、関電にお墨付きを与えてきた国の責任を棚上げにしていること、東電が第一原発5号機配管減肉問題では何も反省していないことを県当局に確認させた。
     また、コンクリートのアルカリ骨材反応問題について「国と事業者がやるべき」ではすまない問題と指摘して県の対応をただした。県当局は、安全確保協定上の県の「立ち入り調査」ができることを確認した。

◇ともに生きる福祉社会・地域医療対策特別委員会

  • 県立病院改革審議会の審議状況の報告がされ、質疑に入った。長谷部議員は、リハビリテーション飯坂温泉病院について、地域リハビリテーション推進事業との関連の審議の有無、ある広域支援センター指定病院から温泉病院を県支援センターとして機能充実の要望が出されていること。さらに7年前に「設備の整備をはかる」と約束し、地域リハビリテーション推進事業の県支援センターに指定し、今度は廃止では行政として支離滅裂ではないかとただした。審議会ではリハビリテーション推進事業との関連は審議していないこと、機能充実は廃止とはかかわらず、別な手もあり得るとの答弁であった。
  • 地域リハビリテーション推進事業について、「広域支援センター」に指定した民間病院に事業者や従事者のネットワーク、情報収集・発信業務を担わせるのは困難であり、保健所などに行政職員を配置するのが筋ではないかとただし、当局はその方向で指針の見直しをしたい旨を述べた。
  • 介護保険に関して、知事答弁で「家族が過度に保険サービスに依存する傾向が見られる」としたことの根拠を質した。当局はケアマネジャーの話などの伝聞との無責任な答えで、さらに「自由な選択でサービスが受けられる」といいながら「保険サービスの受けすぎという話があるか」と質したが、まともな答弁はなかった。
  • 「聴覚障がい者情報提供施設」については、手話通訳者などの派遣調整者やIT指導員配置なども含めて来年度から検討をすすめることが明らかになった。

3、議案への態度

 提案された39件の議案のうち、県職員などの寒冷地手当の削減に係る議案4件と県が行う建設事業の市町村負担を求める議案の5件に反対した。
 県議会に提案された廃置分合の議案に対する態度については、1つ1つについて具体的に検討することが必要となる。その場合の基準は、地方自治の尊重である。県議会に廃置分合の議案が提出されるのは、関係市町村の全ての議会が議決し、全ての首長が賛成して申請しているのであり、広域自治体の県が市町村の自主性を尊重するなら、基本的には賛成・承認がするのがスジである。もちろん地域住民の意思が尊重されているかどうかをみて柔軟に対応することも必要になってくる。そうした立場で、今回の4つの配置分合議案には賛成した。

  • 03年度企業会計決算審査認定議案は賛成。

4、請願・意見書の審議結果

 党県議団が紹介議員になった教育3千万署名実行委からの8件の新規請願と、義務教育費国庫負担の堅持、公的保育制度の堅持、混合診療導入にかかわる3つの意見書は、すべて継続審査とされた。
 他会派から出された国民皆保険制度の堅持(県医師会)や大規模災害の対策などを求める意見書6件については賛成し、全会一致で可決となった。

5、県議会内の3つの検討委員会での対応(9月議会で設置)

◇市町村合併に伴う県議選挙区検討委員会

 現任期中の補欠選挙については、特例を適用することでは一致したが、次期通常選挙については、自民党が特例法の適用で現行選挙区での実施を主張し、共産党と県連合、公明党は公選法に基づく新選挙区での選挙実施をすべきとして意見が対立した。12月14日、自民党が採決して決着をつけるべきと主張し、多数をもって自民党案が可決され議長へ答申された。なお、「05年の行われる国勢調査の結果等を勘案して、必要があると認めるときは、条例の改正等所要の措置を構ずべきである」との文言が加えられた。
 共産党は神山議員が委員に入り、特例法の適用は一回限りの措置であり、公職選挙法の原則適用とするよう求めた。市町村合併を推進してきた議員が、自分の選挙の問題になると合併前の姿で行いたいというのは県民に理解されないと批判。今後の問題としては、国勢調査結果をふまえた上で、飛び地の問題、定数1人区の解消と一票の格差をできるだけ小さくすべきと主張した。最終委員会では、議長の諮問機関にすぎない検討委員会が、多数意見をもって委員会の意思とするのではなく、一致できないのであれば、両論併記で答申すべきであるとの立場をとった。

◇議員提出条例案検討会(過疎・中山間地振興条例案)

 過疎地域の振興策を検討し、議員提案で条例を提出しようと検討会が設置された。メンバーは共産1(長谷部)、自民6、県民連合2、公明1、改進の会・無所属1の計11人。
 10月5日に初会議をもち、委員会構成とワーキンググループ設置を決定。10月7日の第二回会合で自民党案と4会派の共同案を一本化することを確認。ワーキンググループ5人(自民3、県民連合1、改進の会1)を選出した。9月議会最終日の10月18日にワーキンググループの検討結果(条例案一本化へ向けた合意事項)を確認した。
 12月議会中は、開会日の翌12月3日、ワーキンググループでまとめた条例案の検討結果を受け、10日の検討会で若干の字句修正案が提案され、16日に検討会としての案を確認した。同日、県執行部から「福島県過疎・中山間地域振興戦略」の説明を受けた。さらに、議会閉会後の12月20日には関係首長・学識経験者・地域リーダーから意見聴取し、最終成案をまとめ、2月県議会で議員提案される運びとなった。

◇各会派政策責任者会(県の「長計」へのかかわりを協議)

 国土総合開発計画は、国が1962年に初めて策定して以来、現在5度目の計画となる。県は、国のこの計画を受けて10年ごとに長期総合計画を策定している。現在の長計は、2000年に策定され、来年度中間見直しをする。政審会で、県が長計に県議会も関わっていくべきではとなり、協議機関が設置され神山議員が委員になった。12月は2日と17日に開かれ、他県の状況や各部局の説明を聴取。1月14日には、議会の関与の是非を含め、議決を必要とする範囲の意見をもちより、2月議会で結論を出す。

6、「三位一体改革」への対応について

 11月26日に政府・与党が合意した「三位一体改革の全体像」は、“地方の権限拡大”の名で、福祉・教育などに対する国の責任を後退させ、地方財政の削減を進めるものである。本来、自治体が果たすべき住民福祉の増進を困難にし、今年度から保育所運営費が一般財源化になったことで、県内では9市町村が保育料の値上げをしている。地方交付税も、05年度以降さらに削減していく方向で、自治体の財政運営を一段と厳しくする。
 11月8日に設置された地方六団体の「自治体代表者会議」と「地方分権推進連盟」への議会の参加については、全国知事会が義務教育費を含む国庫補助負担金削減案を、行政当局と議会が一体となってすすめるものであり、県議会は安易に設置に加わるべきでないと議長に申し入れた。
 12月10日、「三位一体改革に関する意見書」は、一部文言の修正を求めて全会一致で可決し、国に提出した。
 ところで、自民党は議会最終日になって、「三位一体改革」による義務教育費国庫負担金の一般財源化によって、30人学級など県の教育水準が後退しないよう県へ要望書を提出した。県民連合も同様の要望書を県に提出。

7、原発問題について

 東電の不正問題発覚から2年余りが経過したこと、昨年10基全部停止してから今年に入って次々と再稼動され、第一原発1号機を残すのみとなったことから、東電から議会に対し決意表明の場を設けてほしいと要望され全員協議会が開かれた。ところが各派交渉会では、各会派からの質問形式では決意表明の場にふさわしくないなどとして、各会派の質問項目を議長の手元で整理し、議長が代表して東電社長との質疑を行った。県議団としては今年3月以降、エネルギー政策議員協議会を1回も開かず、議員全員協議会も形だけで済ますのは問題とし、各議員の質疑の場を保障するよう議長に申し入れたが、入れられなかった。
 12月8日に開かれた全協での東電勝俣社長の説明は、不正問題や度重なる事故について根本的な反省は見られなかったばかりか、この全協中に新たな配管の水漏れがあったことが報告された。私たちは、この日の質疑では不十分だったため、東電に対しあらためて申し入れを行い、老朽原発を酷使することの危険性、第一原発5号機の配管減肉問題、下請け作業員の安全確保など10項目について文書回答を求めた。

以 上



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